LOBO11月結果 業況は2カ月連続改善 コスト上昇圧力が重荷に

LOBO全産業合計の各DIの推移

日本商工会議所は11月30日、11月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を発表した。11月の全産業合計の業況DIは、▲21・1と前月比で7・8ポイント上昇し、2カ月連続で改善。先行き見通しDIも、▲17・5となり、個人消費拡大や、国内の観光需要回復などへの期待感がうかがえる一方、コスト上昇圧力が重荷となり、先行きへの慎重な姿勢が続く。

LOBO調査11月結果では、全業種で業況は改善。時短要請や活動制限の緩和に伴い、客足が戻りつつある外食・観光関連のサービス業や、民間工事が持ち直しつつある建設業などで業況改善の動きがみられる。一方で、製造業、卸売業を中心に、半導体不足や部品供給制約による生産活動への影響が継続している。

幅広い業種で、鉄鋼などの原材料費や原油価格を含む資源価格の上昇などのコスト増加が継続。中小企業の景況感はコロナ禍からの回復に向けた動きがみられるものの、力強さを欠く。

先行き見通しDIは、▲17・5(今月比+3・6ポイント)と改善。感染対策と社会経済活動の両立に向けた国・自治体の動きの加速による、年末年始の商戦を契機とした個人消費拡大や、国内の観光需要回復などへの期待感がうかがえる。一方で、半導体不足や部品供給制約の長期化、資源価格の高騰、円安の進行、原材料費上昇分の価格転嫁の遅れなど、コスト上昇圧力が重荷となり、中小企業においては、先行きへの慎重な姿勢が続く。

業種別の業況DIは、全5業種で改善。ブロック別では、北海道を除く8ブロックで改善している。

建設業では、資材価格上昇による収益圧迫や、東南アジアでの感染拡大を背景とした住宅設備機器などの納品遅れ・欠品の影響が続くものの、災害復旧を含む公共工事の下支えや住宅関連の民間工事の持ち直しが寄与し、改善。事業者からは、「銅の価格上昇により、電線やケーブルの価格が上昇。価格転嫁が難しく対応に苦慮」(電気通信工事)、「住宅リフォームの受注により売上を確保。ただし、東南アジアの新型コロナウイルスの感染拡大により給湯器や温水便座などが入手困難となっており、納期に影響」(一般工事)などの指摘がある。

製造業では、イベント向けなどの受注に持ち直しの動きがみられる印刷業・製紙業や飲食料品製造業の売上が伸び、改善。一方、自動車関連を中心に鉄鋼や資源価格の上昇による収益圧迫や半導体不足による生産活動への影響が続いているとの声は多い。「化粧品会社向けのパッケージの受注が回復し、売上は改善」(紙製品)といった指摘もあった。

卸売業では、物流費や包装資材などの価格上昇が収益を圧迫しているものの、制限緩和に伴いイベントや外食向けの受注増が続く農畜水産物・飲食料品関連が全体を押し上げ、改善。「イベント向けの売上が少しずつ改善しており、今後の一段の売上増を期待している。ただし、原油価格の上昇で取引先から包装資材の値上げ要請があり、コスト増加に苦慮」(食料・飲料卸)、「IT機器関連の受注が堅調。仕入先の半導体不足や海外製造部品の供給制約により、納期に遅れ」(電気機械器具卸)といった声も聞かれる。

小売業では、制限緩和に伴い客足が戻りつつある百貨店などの売上増が寄与し、改善。一方、食料品や日用品などの巣ごもり需要による売上の一服感を指摘する声も聞かれた。

サービス業では、運送業など燃料費上昇による負担増が続いている業種があるものの、制限緩和に伴い客足が戻りつつある飲食・宿泊業を中心に売上が増加し、改善。事業者からは、通常営業再開による人手不足が生じているとの声も聞かれた。また、「売上は改善傾向も、食用油など食料品の価格上昇や最低賃金引き上げによる人件費上昇が負担となっており、価格転嫁を検討」(飲食)といった声も寄せられている。

この記事をシェアする Twitter でツイート Facebook でシェア

月刊「石垣」

20221月号

特集1
老舗に学ぶ経営哲学 100年企業が守ってきた“わが家の商法”

特集2
新たな波が大きなチャンスになる!地域企業連携で新エネルギーに挑む

最新号を紙面で読める!

詳細を見る

会議所ニュース

月3回発行される新聞で、日商や全国各地の商工会議所の政策提言や事業活動が満載です。

最新号を紙面で読める!

詳細を見る

無料会員登録

簡単な登録で無料会員限定記事をすぐに読めるようになります。

無料会員登録をする