三原商工会議所(広島県)はこのほど、特別の法人が行う無料職業紹介事業の許認可を取得した。これにより、同所が会員事業所の求人を取り扱い、職業紹介を実施できるようになった。移住者支援を進める中で障壁となっていた移住者の就職支援について、今後は強力に推し進められるようになる。
許認可取得や移住者支援の背景には三原市の人口減少がある。市内では、2022年に人口9万人を下回り、毎年千人以上、人口が減少している。この対策として同所では、三原市や広島経済同友会三原支部と連携し、広島県が主催する「移住 フェア」に22年から参画し、移住相談対応を続けてきた。同事業の中で、移住希望者が「三原市の住む場所としての魅力は説明を受けて感じているが、実際に移住した際の仕事(就職)が決まらないことには移住が実現できない」と話すのを聞いてきたが、職業紹介は許認可を受けた事業所しか行えないため、同所としての対応は限られていた。
そこで今回、同所は定款に「職業紹介事業を実施する」旨を追記する総会決議を経て、厚生労働省に「特別の法人無料職業紹介事業」の届け出を申請し、許認可を取得した。加えて、同所職員が職業紹介責任者講習を受講し、職業紹介あっせん 対応をスムーズに実施できる体制を整えた。
また同所が許認可を得たことで、同所、市、広島経済同友会三原支部の3者による協力体制を築き、移住希望者への包括的支援ができるようになった。三原市はまちや暮らしに関する相談対応やお試し移住体験などのフォロー、同所は職業紹介や個別企業への説明を行い、経済同友会は会員企業に対して求人情報サイト「ひろしまワークス」に登録するよう促していく。この取り組みにより今後一層、移住希望者一人一人に寄り添った相談対応ができるようになる。
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