日本商工会議所はこのほど、9月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に、事業継続計画(BCP)の策定状況についてヒアリングした結果を発表した。策定状況は、「策定済み」が14・5%、「策定中」が13・4%となった。一方、「必要と思うが、策定していない」が63・8%、「そもそも必要ない」が8・3%となり、策定に未着手の企業は72・1%となった。
策定していない理由では「策定したいが必要なノウハウ・スキルがないため」(47・7%)と「策定したいが、人的余裕がないため」(45・5%)が4割を超えた。次いで、「家族経営などで企業規模が小さく、柔軟に対応できるため」(26・3%)、「顧客・取引先・関連会社などから策定を要請されていないため」(20・7%)となった。
「策定済み」と「策定中」の企業を合わせても約3割となっており、約7割の企業で未着手の状況であった。ただし、策定に未着手の企業のうち約9割は「必要と思うが、策定していない」企業であり、昨今の自然災害の影響からも、多くの企業で事業継続計画策定の必要性が認識されているものと見られる。一方で、策定に必要なノウハウ・スキルや人的余裕がないという企業も多く、今後の普及に当たっては課題も多い。
ヒアリングした企業からは、「BCPは大規模災害への備えとして重要だが、国の水準で要求される体制整備は自社には過剰なため、中小零細企業向けに組合が作成した簡易版のBCPを策定」(一般工事)、「日常の業務が優先されるため、BCP策定まで手が回っていない」(専門サービス)といった声が寄せられた。
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