世界の電子商取引(EC)は年率10%前後で成長を続けているが、この数年はサイトやスマホアプリに写真と商品説明を載せて売る旧来型のECは停滞し、代わって動画でライバー(配信者)が商品の良さをアピールし、気に入れば即購入できるライブコマースが急成長している。日本でもTikTok Shopは集客力が高く、セラー(販売業者)登録に関心を持つ中小企業も多い。
ただ、ライブコマースで先行した中国は、インフルエンサーが高い報酬を得て品質に問題がある商品を販売するケースなどが増え、社会問題化したためかつての勢いはない。対照的に東南アジアや台湾などでは、ライブコマースが成長ステージに突入している。ECそのものが電子決済や宅配便のようなインフラを前提にしているが、東南アジアでそうしたインフラの安定性、確実性が高まってきたことが背景にある。
