日本商工会議所は11月20日、臨時会員総会などを都内で開催し、第33期役員(任期=2028年10月31日まで)などを選出した。会頭には、東京商工会議所の小林健会頭(三菱商事相談役)を再任。2期目を迎える小林会頭は所信の中で、「成長型経済への転換を確固たるものとするためには、今後も絶えず『変革』に挑み続けることが不可欠」と述べるとともに、「地域、ひいては日本経済の再出発につなげるべく、全力で職責を果たす決意だ」と意気込みを示した。
臨時会員総会には、全国から会頭・副会頭ら約700人が出席。議事では、小林会頭のほか、副会頭、監事を選任した。また、臨時会員総会に先立って開催された常議員会・議員総会では、常議員らを選任した。
会頭に再任された小林会頭は、今期のスローガンとして「変革と価値共創による日本経済の再出発」を掲げ、今後3年間の活動における重点課題として①成長型経済の実現に向けた環境整備②変革と価値共創による中小企業・小規模事業者の「稼ぐ力」の強化③地域の稼ぐ力の向上による地域経済好循環の推進――の3点を示した。
①については、「成長型経済を実現するためには、コストプッシュ型インフレから、需要拡大によるデマンドプル型インフレへと移行し好循環を持続させることが不可欠」との認識の下、物価上昇を上回る賃上げの実現や民間投資の喚起などを推進する考えを示した。
②では、「中小企業・小規模事業者の『稼ぐ力』の強化には、新分野進出、DX・GX推進など果敢な挑戦が不可欠」と述べるとともに、イノベーション創出の加速による「価値共創」実現の重要性を指摘。また、後継者不在による廃業が依然として多く見られる現状を踏まえ、政府に対し、事業承継税制特例の恒久化を強く求めていく方針を示した。
③では、事業者や住民が恩恵を実感できる「持続可能な観光地域づくり」の必要性を指摘するとともに、まちづくりについて、「各地商工会議所が中心となって民間主導・公民共創の地域経営を進めることが重要」との認識を強調。これら地域の取り組みを加速するため、地域産業人材の育成などに長期的な視点で取り組んでいく必要性を指摘した。
