大野商工会議所(福井県)が、大野市の湧き水と郷土料理「すこ」のエキスを使ったご当地サイダー「すこサイダー」を発売した。ほんのりピンクに染まったやさしい色合いと、甘酸っぱい風味が特徴で、若者たちがツイッター上で使う「すこ=好き」という言葉をかけた商品名「すこ(好き)サイダー」として話題を呼んでいる。
同所プロデュースによる開発プロジェクトが動き出したのは2017年のこと。農業、商業、行政関係者9人の連携チームが議論と試作を繰り返して商品化した。ご当地サイダーブームと、同市の特産品であるサトイモのアピールにつながることに注目した開発メンバーは、地元の蔵元が酒の仕込み水に使用する湧き水を使って、同市産原料にこだわった。
「すこ」はさといもの一種であるヤツガシラの茎「赤ズイキ」を甘酢漬けにした郷土料理で、このエキスを3%配合して、天然由来のやさしいピンク色を表現。食物繊維やカリウム、カルシウムを多く含み、美容食としても注目度が高い。その甘酸っぱい味はすっきりと飲みやすく、天然のピンク色はシャンパンを思わせる華やかさがあることから、バイヤーからはブライダルやパーティーでの需要も期待されている。
今年2月に東京ビックサイトで行われたグルメ展示会でも好評を得ていたすこサイダーは、5月末のツイッター投稿で2・5万件の「いいね」と、1・1万件を超えるリツイートがあるなど注目を集めている。 「大野に行けばすこサイダーが飲めると、誘客にもつなげたい」と語る同所松田勉専務理事。年間1万本販売を目指し、今後は、市内の小売店や東京都内のアンテナショップのほか、ネット販売も検討中だ。
最新号を紙面で読める!