日本商工会議所は3月16日、第136回通常会員総会をハイブリッド形式で開催し、各地商工会議所から会頭・副会頭ら約1100人が出席した。総会の冒頭にあいさつした小林健会頭は、「わが国の持続的な成長の原動力は『中小企業の活力強化』と『地域の活性化』」と強調。議事では、中小企業と地域の自己変革で新たな価値を創造し、日本の再生を目指すため、商工会議所が総力を挙げて取り組むべき五つの活動などを示した「第136回通常会員総会決議」を満場一致で採択した。
小林会頭は、「コロナ禍を乗り越えて成長していく『ビヨンドコロナ』対策を円滑かつ混乱なく進めていくことが、最大の経済対策だ」と述べるとともに、「今こそ企業活力を高め、官民協働で、地域の社会課題の解決を経済成長につなげ、強く豊かな国と地域を再構築し、次の世代へと引き継いでいくことが地域総合経済団体である商工会議所の使命である」と強調。「わが国の持続的な成長の原動力は『中小企業の活力強化』と『地域の活性化』に他ならない」との考えを示し、この二つを両輪として、商工会議所が総力を挙げて取り組むべき五つの活動を提示した。
具体的には、「中小企業の自己変革と事業承継促進、新たな価値創造の後押し」「持続的な賃上げを可能とする中小企業の生産性向上と取引適正化」「地域に人と消費と投資を呼び込む観光振興・都市再生の推進」「国際ビジネス交流拡大、中 小企業の輸出拡大推進」「大規模災害に備えた強靭(きょうじん)な国土づくりと福島再生の推進」「中小企業の海外展開と輸出拡大の推進」の5点を提示。また、今後、商工会議所のプレゼンス強化のためには、「自らがデジタル化やDXなどの変革に挑戦し、組織基盤を強化していかなければならない」と述べ、「そのためにも、対話を中心とした『現場主義』と『双方向主義』を徹底し、環境変化への感度を高めて、的確な政策提言を展開し、各地域の社会課題克服のために、さらに積極的に活動していくことが必要だ」と強調した。
ビデオでメッセージを寄せた岸田文雄首相は、「今年は、新型コロナから、全面的に日常を取り戻し、日本を、本格的な経済回復、そして、新たな経済成長の軌道に乗せていく」との考えを表明。物価高への対応、物価上昇を超える賃上げの実現などに向けた政府の取り組みを強調し、商工会議所に協力を要請した。また、西村康稔経済産業大臣もビデオであいさつした。
総会議事では、日商が全国515商工会議所、連合会、青年部、女性会と連携して取り組む五つの活動、政府への要望などを示した会員総会決議「中小企業と地域の自己変革で新たな価値を創造し、日本の再生を図る」を満場一致で採択。「中 期行動計画(2023~25)(案)」「2023年度事業計画(案)」「同収支予算(案)」などの議案の審議を行い、異議なく 承認された。
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