甲府商工会議所（山梨県）はこのほど、中小零細ものづくり企業が抱えるさまざまな課題を解決するため、「ものづくり企業巡回アドバイス事業」を開始した。販路拡大やデジタル化などの幅広い相談に専門のアドバイザーが対応し、会員事業所の生産性向上を支援する。

同事業は、経験豊富な大手メーカーOBなどをアドバイザーとして企業に派遣し現場改善や技術向上、新製品開発などについて提案を行うもの。具体的には「販路拡大・取引先拡大」「人材の育成・技能の継承」「新製品・新技術の開発」「生産管理・生産性の向上」「マーケティング・販売戦略構築」「工場新築・増築」「機械設備導入・保全」「IT化・IoT活用・デジタルツール導入」「高度技術者・熟練労働者の確保」「工程管理・品質管理」「異業種・異分野への進出」「5Sの導入」「業務の効率化・カイゼン活動」など幅広い分野の相談に5人のアドバイザーが助言する。

事業を利用した市内の食品加工メーカーは、コスト削減のために冷凍冷蔵庫温度監視装置の改善について指導を受け、「年間50万円ほどかかっていたランニングコストがほぼ0円になった」とアドバイスの効果を報告。最新の表面処理の技術について指導を受けた精密金属加工メーカーからは、「厳しい受注競争の中、新規受注を確保するためには品質・技術力の向上は不可欠であり、他社との差別化が図れる」との感謝の声が寄せられるなど早くも成果が上がっている。

相談は無料。同所の特設ページなどから申し込みを受け付けている。

詳細は、https://kofucci.or.jp/news/20230816/を参照。