製品をつくる前に顧客を獲得
陶磁器の一般名称である「瀬戸物」の由来ともなった瀬戸焼で知られる愛知県瀬戸市で、河村電器産業は分電盤や高圧受電設備、電気火災防止機器といった電気関連機器などを製造している。創業は大正8(1919)年で、河村製陶所として始まった。
「創業者の河村鈴吉は隣の春日井市出身で、家の事情で瀬戸の焼き物工場に奉公に出されました。そこで焼き物の経験を積み、清水焼を学ぶために京都に行きました。そこで道を電気で走る市電を見て、『電気でこんなことができるのか』と驚いて、これからは電気の時代だと思ったようです。それで一念発起して、瀬戸に戻って設立したのが河村製陶所でした」と語るのは、河村電器産業の取締役副会長を務める河村誠悟さん。会長を務める兄の幸俊さんと二人三脚でこれまで会社経営を担ってきた。
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