政府は10月30日、第30回「新しい資本主義実現会議」(議長・石破茂首相)を開催し、新たな経済対策に盛り込む重点施策などについて議論した。日本商工会議所の小林健会頭は、持続的な成長型経済実現に向け、特に重要な政策として、「賃上げと取引の適正化」と「中小企業の稼ぐ力の強化」の2点を強調。官民一体となった政策の推進を要望した。
「賃上げと取引の適正化」については、パートナーシップ構築宣言の登録企業に対するインセンティブ政策など、地域の隅々まで価格転嫁への意識改革を浸透させていく取り組みの充実・加速などを要望した。
「中小企業の稼ぐ力の強化」に向けては、省力化・デジタル化による生産性向上への取り組みや、従業員のスキルアップ・能力開発に向けた「人」への投資など、労働力確保に向けた取り組みへの支援継続を強く求めたほか、「新たな付加価値創出に向けた中小企業のイノベーションは、地域を活性化し、地域の経済循環を強く太くする根幹である」と述べ、成長に向けた設備投資、販路開拓といった経営者の挑戦・決断を後押しする強力な支援を要望した。
石破首相は、「日本経済は今、変化の兆しを脱し、賃上げと投資がけん引する成長型経済を実現できるかという局面にある。国際競争力を高め、同時に地方を豊かにするためにも、今、道筋を付けなければならない」と述べ、「賃上げ環境の整備」「成長力に資する国内投資促進による投資体格の実現」の2点を重点に置いた経済対策の取りまとめと施策の具体化を関係閣僚に指示した。
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