日本政府観光局(JNTO)は6月11日、「高付加価値旅行市場規模調査」の結果概要を公表した。高付加価値旅行とは、1人当たりの着地消費額(渡航費などを除き国内で消費した金額)100万円以上の旅行を指す。同調査では、2023年に調査対象市場から世界・日本へ旅行をした高付加価値旅行者の消費額および旅行者数を推計し、前回調査(19年)データと比較した。調査結果では、23年の訪日高付加価値旅行市場の消費額は1.0兆円で19年比50.6%増、旅行者数は59.0万人で19年比83.2%増と大幅に増加した。
同調査は、クレジットカード決済データなどに基づいて推計。世界の高付加価値旅行については5市場(中国、米国、中東、シンガポール、英国)、訪日高付加価値旅行については10 市場(前述の5市場とオーストラリア、香港、韓国、台湾、タイ)を調査対象市場に選定している。
調査によると、23年の訪日高付加価値旅行市場の消費額は1.0兆円で19年比50.6%増となった。同年の世界の高付加価値旅行者の消費額は21兆円で19年比17.6%増であり、伸びでは訪日が世界を上回った。また、同年の訪日外国人旅行消費額の全体は5.3兆円で、19年比10.2%増。同消費額全体に高付加価値旅行消費額が占める割合は19.1%で、19年の14.0%から5.1ポイント増加した。
23年の訪日高付加価値旅行者数は59.0万人で、19年比83.2%増となった。同年の世界の高付加価値旅行者数は1157万人で19年比32.5%増であり、旅行者数の伸びも訪日が世界を上回った。同年の訪日外客数は2507万人で、19年比では21.4%減。訪日外客数に占める高付加価値旅行者の割合は2.4%と、19年の1.0%から1.4ポイント増加した。
23年の訪日高付加価値旅行者の消費額の市場別割合を見ると、上位3市場は中国(23.0%)、米国(16.3%)、台湾(13.1%)。旅行者数についても上位3市場は中国(24.6%)、米国(16.5%)、台湾(12.7%)となった。