金沢市で左官ひと筋に100年の歴史を刻むイスルギの一部門としてスタートし、平成27年に独立した生活用品の製造・販売会社soil。イスルギ以来のプロダクトブランド「soil」から22年に誕生した「珪藻土バスマット」が、現在も変わらぬ人気を維持している。数ある日用品のジャンルに、自然の恵みと手づくりという価値を加え、ヒットを生み出した同社の戦略とは――。
左官職人の雇用安定がものづくりのきっかけ
soilとは「土」を意味する。数ある土の中でも、海などに生息していた植物プランクトンの堆積物である珪藻土は、多孔質構造により吸水性や調湿性に優れ、シックハウス症候群対策に適した建材として壁などに使用されていた。その性質を生かして誕生したのが、「珪藻土バスマット」である。同商品はファブリック(布地)よりも速乾性が顕著であり、実際に濡れた足で同商品に乗ってみると、足の形に濡れ跡がつき、その後濡れ跡がみるみる消えていく。
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