ウサギのような長い耳にギザギザの歯が並ぶ大きな口、バランスの悪い縦長の大きな目|。中国発のトイ・キャラクター「LABUBU(ラブブ)」が世界的な大ヒットとなっている。「ハローキティ」や「ちいかわ」など日本のキャラクターに肩を並べる勢いだ。一過性のブームにとどまる可能性はあるが、これまで安易な模倣を続けるだけだった中国が個性的なキャラクターを創造し始めたとすれば、大きな転換が起きつつあるとみるべきだ。
ラブブがブレークする前の今春、中国のアニメ映画『哪吒之魔童閙海(邦題:ナタ 魔童の大暴れ)』(ナタ2)が中国で空前のヒットとなり、日本含め世界で公開された。中国国内での興行収入は3100億円を突破、海外でも150億円を稼ぎ、アニメ映画では世界歴代トップ、映画全体でも5位の興行成績を上げた。日本の歴代トップである『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020年公開)が407億円だったことを考えれば、ナタ2は収入の90%以上が中国国内とはいえ驚きだ。