日本商工会議所は7月31日、7月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を発表した。調査期間は7月16~22日。全国339商工会議所の会員企業1937社から回答を得た。
7月の全産業合計の業況DIは、マイナス20・2となり、6月から1・9ポイント悪化した。都市部の民間工事を中心とする建設業の底堅い動きや堅調なインバウンド需要が下支えしたものの、根強い消費者の節約志向に加え、気温の低い日が続き、夏物商材の需要が低迷した小売業や、例年より長い梅雨の影響で客足が減少した飲食・宿泊業を中心とするサービス業の業況感が悪化した。深刻な人手不足による受注機会の損失や人件費・外注費の増大、原材料費の高止まり、米中貿易摩擦や世界経済の先行き不透明感が中小企業のマインドを下押ししており、足踏みが続いていた中小企業の景況感は、足元で弱い動きが見られる。
ヒアリングした企業からは、「夏のセールが始まったが、気温の低い日が続いている影響で夏物衣料品を中心に苦戦しており、前年割れは避けられない」(百貨店)、「例年より長い梅雨の影響に加え、消費者の節約志向が根強く、客数・客単価共に落ち込んだ」(飲食)といった梅雨寒の影響を訴える声が寄せられた。また、「技術者を中心とする深刻な人手不足が事業展開の足かせとなっている」(一般工事)、「人手不足は深刻であり、顧客からの要請に十分に応えられない」(ソフトウエア)といった人手不足に関する声も聴かれた。
先行きについては、先行き見通しDIは、7月比プラス0・1ポイントのマイナス20・1となった。個人消費の拡大やインバウンドを含む夏の観光需要拡大への期待感がうかがえる。他方、人手不足の影響の深刻化や、原材料費の上昇、コスト増加分の価格転嫁の遅れ、貿易摩擦や世界経済の動向、消費税引き上げの影響など不透明感が増す中、中小企業の業況感はほぼ横ばいで推移する見通しとなっている。
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