観世音菩薩と地蔵尊に真心を
むつ商工会議所女性会は7月12日、「恐山観音・地蔵尊衣替えと清掃奉仕事業」を実施した。同事業は、昭和60年から毎年この時期に欠かさず実施しているもので、今年で32回目を迎えた。
日本三大霊山である恐山へ向かう街道沿いには、石仏観世音菩薩33体や地蔵尊が建立されている。これらは、今から150年以上前に設置されたもので、長い間、雨風にさらされたため、汚れが目立ったり、周辺の樹木などで隠れたりしていた。この状態に心を痛めた同女性会では、毎年7月下旬に開催される恐山大祭を前に、観光客や参拝に訪れる人を気持ちよく迎えたいとの思いから、同事業を開始。以来、地域に根差した取り組みとして、また、女性会の恒例事業として行われている。
実施日には、朝からメンバー18人が集まり、バスなどで移動しながら、約14㎞にわたって建立されている観音菩薩や地蔵尊の古い頭巾や前掛けを新しいものに交換。周辺の雑草を刈り取り、そして、心を込めて手を合わせる。最後の33体目がある恐山がゴールとなり、最後に宿坊で参加者全員に振る舞われた精進料理に舌鼓を打った。
同事業は、歴史的な文化価値がある恐山大湊参道の保全として地域にはもちろん、参拝客などにも好評で、観光振興にも大きく貢献。平成19年度には地球環境美化功績者として、環境大臣より表彰も受けている。
同女性会の坂本悦子会長は、「恐山は下北地域観光の目玉でもあり、観光客を気持ちよくお迎えしたい。むつにどうぞお越しください」と、話している。
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