会長自らが全国各地を行脚YEGメンバーとの絆を深める
日本YEGでは平成26年度から毎年、会長が全国のYEGを訪問する事業を実施している。 直接膝を突き合わせ議論を重ねることで、共通の課題の解決策を探る。
岡村寅嗣平成28年度日本YEG会長は着任した4月から、日本ネットワーク委員会メンバーらとともに全国各地のYEGを訪問。同事業は今年で3年目を迎え、今年度は全国127のYEGを訪れた。
全国のYEGを訪問する理由
平成26年度から始まった会長による各地YEG訪問事業。26年度は全国408(当時)YEGを全て訪問した。また、27年度は全国45道府県の商工会議所連合会を全て訪問。28年度は、日本YEGに出向者を輩出している127のYEGを訪問することとした。
なぜ、日本YEG会長が全国各地のYEGを訪問するのか――。きっかけは、日本YEGと単会YEGとの「距離」だった。
日本YEGは、全国各地のYEGからなる連合体であり、日本YEG出向者は、日本YEGの全国大会や全国会長研修会、ブロック大会など、自分たちの地域にコンベンションを誘致するため、地域を代表して出向しているメンバーが大半だ。当然、出向者は日本YEGのことをよく理解しているはずなのだが、他方で、地元では日本YEGの活動があまり理解されていないという。
主な理由を各地YEGメンバーに聞いたところ、「日本YEGが具体的に何をしているか分からない」といった返答が返ってくる。つまり、日本YEGの情報発信力が不足しているために、各地YEGとの「距離」が広がっているのではないか、という考えに至った。
そこで、その「距離」を縮めるために、日本YEGの会長自らが各地YEGを訪問。日本YEGの事業紹介を行うとともに、各地YEGの事業活動を聞くことで、日本YEGと各地YEGとの双方向主義の実現を試みているのだ。
実際に、同事業を開始した26年度から、全国大会や全国会長研修会などの参加率は増加傾向にある。28年度の秋の日本YEGブロック大会では、参加者登録数が過去最多の1万4110人(前年比23%増)を記録した。
熱気ある訪問現場
今年度実施している127のYEG訪問では、岡村会長から、日本YEG出向者に対する感謝の意を伝えるとともに、日本YEGの活動や出向者の活躍などを説明。その後、訪問先のYEGの事業活動や出向者の地元での活動を聞くなど、双方向となる交流を図っている。
訪問の場では、「日本YEGはどんな活動をしているのか」「日本YEGと各地YEGとの関係が分からない」などの声が聞かれたほか、日本YEGの位置付けについての質問が多く出された。特に、日本YEGの組織の形態や成り立ちについての理解が乏しかった。そこで、商工会議所の成り立ちからYEGの設立、YEGの連合体である日本YEGの設立経緯などを参加YEGメンバーが納得できるまで、岡村会長から説明。参加したメンバーからは、「これまでこういった話をする機会がなかったため、非常に勉強になった」「日本YEGの事業やブロック大会への興味が湧いた。参加してみたいと思った」「YEGの役割が明確になった」といった感想があり、お互いの理解と絆を深めることに成功した。そして、今後のYEGでの活動への意欲促進へとつなげた。
浮き彫りとなった共通の課題
お互いの理解を深める一方で、日本YEGと各地YEGが抱える共通の課題として、「例会などの事業への参加率が伸びない」「メンバー間でYEG活動に対する取り組み方に温度差がある」「事業の規模や数が大きくなり、仕事にしわ寄せがきている」なども浮き彫りになってきた。日本YEGでもこれらの問題を解決するため、単会YEGの活動事例の紹介やYEGメンバー同士の交流推進、ブロックや県連代表者から日本YEGの活動への積極的参加を呼び掛けるなど、日本YEGが有する全国ネットワークを総動員して対応。YEG活動の意義を全国のメンバー一人一人にしっかりと理解してもらえるよう、努力している。
今後も日本YEGでは、会長による各地YEG訪問や、さまざまな活動を通じて、地域のYEG活動の活性化や課題解決のため、連合体活動を推進していく。ぜひそのパワーを感じ、注目してほしい。
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