日本商工会議所が3日に公表した「人手不足などへの対応に関する調査」(1面参照)では、人員不足が企業経営に与える影響について、「影響が出ている(既に現実に受注を逃したり営業時間を短縮したりといった状況)」と回答した企業は24・0%となり、約4社に1社で既に影響が出ている。「影響が懸念される(今後、受注を逃したり営業時間の短縮などの影響が出る可能性有り)」は、44・7%に上り、日商では、「引き続き注視が必要」としている。
人手が不足している企業における数年後(3年程度)の人員充足感の見通しについては、「現在と同程度の不足感が続く」が52・0%で最多。一方、「不足感が増す」と回答した企業も39・8%に達していることから、人手不足は今後さらに深刻化する可能性を示唆している。
外国人材の受け入れのニーズに関しては、「ない」が56・8%となった。一方、「ある(既に雇用している、今後雇用する予定)」(23・1%)と「検討中」(18・6%)を合計すると4割以上となる。また、人手が不足している企業ほど、外国人材へのニーズが高いことから、「今後、人手不足がより深刻化する場合、外国人材のニーズが高まると予測できる」と日商では分析している。
他方、外国人材を受け入れる、受け入れたい理由については、トップの「人手不足により、日本人の求人が充足できないため」(68・2%)が2位の「海外の優秀な人材を採用したいため」(26・0%)を大きく引き離しており、企業は可能であれば日本人を雇用したいともいえる。外国人材を受け入れたい分野については、「非技術的分野(いわゆる単純労働)」が57・1%で最多。「一定の技術を有した専門職層」(32・7%)、「即戦力となるようなミドル層」(25・0%)が後に続いた。
外国人材のニーズがない理由については、「日本人を求人したいため」(46・3%)、「言語などコミュニケーションに懸念があるため」(45・1%)が上位となった。「ビザの取得など、雇用に係る事務負担が増えるため」、「処遇や人事管理の方法が分からないため」といった事務手続きなどに関する理由は1割程度であり、ニーズがない理由の多くは、そもそも必要性を感じていないことに起因している。
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