売り上げ維持困難
日本商工会議所はこのほど、7月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果とともに、人手不足の影響とその対応について、全国の企業にヒアリングした結果を発表した。
人手不足の影響が出ている(懸念含む)企業は70・9%に上った。業種別に見ると、建設業で81・8%と最も高く、次いでサービス業で71・7%となった。人手不足による具体的な影響については、「売り上げ維持・売り上げ増への対応が困難(営業時間の維持が困難、受注機会の損失など)」が53・3%、「従業員の時間外労働の増加(人件費の増加)や休暇取得の減少」が48・8%、「業務・サービスの質の低下(納期の遅れやミスの発生、クレームの増加など)」が46・1%となった。
人手不足への対応としては、「既存従業員の多能工化・兼任化」が53・5%、「採用活動の拡大(募集対象、募集期間、採用エリア、募集方法などの拡大)」が51・6%で半数を超えた。「離職防止や新規人材獲得のための労働条件の改善」も38・8%だった。
ヒアリングした企業からは、「従業員の時間外労働が増加したため、外注化や採用活動の拡大に取り組んでいる。一方、働き方改革に伴い、週休2日を前提とした公共工事が出てきているが、休日増による職人の収入減や、工期を守るための中小企業へのしわ寄せを危惧している」(建設)、「仕入先である職人の高齢化・人手不足が地域の同業者の共通課題となっており、さまざまな製品の生産について内製化にとどまらず、同業他社と連携して取り組んでいる」(刃物製造)、「長期間にわたって採用人数を確保できていないため、今後は外国人材の採用を検討せざるを得ない」(ソフトウエア)といった声が寄せられた。
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