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JFA 日本クリエイション大賞2020 大賞に明治神宮 第18回シネマ夢倶楽部表彰を選定

日本クリエイション大賞2020

一般財団法人日本ファション協会(JFA)はこのほど、「日本クリエイション大賞2020」および「第18回シネマ夢倶楽部表彰」の選考結果を発表した。

日本クリエイション大賞2020は、製品、技術、文化活動、地域振興などジャンルを問わずクリエーティブな視点で生活文化の向上に貢献し、時代を切り開いた人物や事象を表彰する制度。大賞には、「百年先を見据え、英知を結集してつくられた『明治神宮の森プロジェクト』」に取り組んでいる明治神宮を選定。伝統文化革新賞は松本幸四郎氏(十代目)が受賞したほか、社会課題解決貢献賞、食品ロス削減推進賞が決定した。

第18回シネマ夢倶楽部表彰は、毎年国内で公開された新作映画からベストシネマの上位3位を選定する「ベストシネマ賞」を選考した。また、映画を通して生活文化の発展などに貢献する活動に贈る「シネマ夢倶楽部賞」、新進気鋭の若い才能、意欲的な活動をした新世代に贈る「推薦委員特別賞」が選ばれた。

受賞概要は次のとおり。詳細は、https://www.japanfashion.or.jp/を参照。

大賞

明治神宮 百年先を見据えた森づくり

今日、東京都心の代々木に広がる森は、明治天皇と皇后の昭憲皇太后をまつるために、1920(大正9)年に創建された明治神宮の鎮守の杜として、全国から献ぜられた10万本の樹木と延べ11万人の国民のボランティアによって造林された人工の森である。当時、辺り一帯はほとんどが畑で荒地のような景観が続いていたという。ここに、両御祭神をお慕いし、人々が静かに祈りをささげる「永遠の杜」をつくるため、日本の英知が集められ、百年先を見越した造苑計画が立てられた。当時の第一線級の林学の専門家たちがつくった「明治神宮御境内林苑計画」には、「林苑の創設より最後の林相に至るまで変移の順序(予想)」として、50年後、100年後、150年後の森林の変化が4段階の林相予想図として描かれている。

第1段階で植えられた約10万本の献木が、その後人手を介さず淘汰(とうた)され、100年後の今日、当初の予定より早く、森は第4段階の入り口に至り、現在この森には約3万6000本の樹木および絶滅危惧種を含む約2840種の生物が生息する。

100年前に描かれた「永遠の杜」づくりへの明確なビジョンと百年先を見据えた壮大なグランドデザイン、そしてそれを忠実に守ってきた後代の管理者たちに心からの敬意を表する。

伝統文化革新賞

松本幸四郎氏(十代目)

図夢歌舞伎『忠臣蔵』 ⓒ松竹

コロナ禍にあって演劇、音楽など全ての興行が休演や中止を余儀なくされた2020年春。歌舞伎もまた5カ月間の休演が続いた。「このままでは歌舞伎はなくなってしまうかもしれない」という焦りと無力感に襲われた十代目松本幸四郎氏が挑んだのが、Web会議システムZoomに着想を得た史上初の生配信専用作品「図夢(ずうむ)歌舞伎『忠臣蔵』」の上演である。

構成・演出・出演した幸四郎氏は、単なる名作のダイジェスト版ではなく、役者やスタッフの接触を避け、画面を三分割、四分割して別々のところで演じている役者が同じ舞台に立っているように見せたり、録画映像を活用して同時に二役を巧みに演じ分けたり、試行錯誤しながら前例のない試みに挑戦。400年を超える歌舞伎の歴史に新たな1ページを刻む作品を創造した。動画配信による歌舞伎は、これからも生の舞台と両立する形で進化発展していくことだろう。

社会課題解決貢献賞

Arithmer(アリスマー)

2016年創業のアリスマーは、約360社ある東大発のベンチャー企業の中で唯一「数学ベンチャー」を名乗り、あらゆる科学技術の基礎となる数学を企業のコアテクノロジーに据え、これを基盤とした高度AIシステムを活用することで社会課題の解決に貢献することを目指している。

ドローンとAIを活用して水害における浸水被害を短時間で予測する「浸水予測AIシステム」、日本気象協会と共同で開発した「AIを活用した越波(えっぱ)検知」、高度AI画像解析技術を応用した「損傷箇所AI検知システム」「画像AI検品システム」「運転支援AIシステム」「自動採寸AIシステム」―。同社の「高度数学×AI」によって開発された技術はさまざまな企業に採用され、ソリューションを提供している。

食品ロス削減推進賞

コークッキング

SDGsの目標の一つである「食品ロス」削減に向けて、201 8年、コークッキングが立ち上げたフードシェアリングサービス「TABETE」は、おいしく食べられるのに余って捨てるしかない飲食店や小売店と、割安な価格で購入したい消費者をマッチングするプラットフォーム。

プラットフォームに出品された食べ物をテイクアウトすることを「レスキュー」と呼び、食品を廃棄から〝救う〟という概念を利用者に印象付けた。コロナ禍の中で、登録ユーザーは30万人を超え、創業から2020年8月までにレスキューされた食品の数は累計5万食、約2万5000キログラムに及ぶ。

さらに20年4月から、規格外品の農産物や在庫過多で困っている食品・食材をTABETEユーザー向けに販売する直送サービス「レスキュー掲示板」の試験運用を始めた。同掲示板を通じ、10月までに累計約4500キログラムの食材を廃棄から救っている。