日本商工会議所は5月10日、東京商工会議所と合同で第11回総合政策委員会(委員長・小林栄三特別顧問)をハイブリッド形式で開催した。委員会には三村明夫会頭はじめ、全国から約40人が出席。委員会では、公益財団法人地球環境産業技術研究機構システム研究グループリーダー・主席研究員の秋元圭吾氏から「わが国のエネルギー・環境政策を取り巻く国内外の情勢と政策の方向性」について話を聞き、意見交換を行った。
秋元氏は、再生可能エネルギー拡大のためには、費用便益を正しく評価しつつ、電力系統増強を図っていくことの必要性を強調。蓄電池、水素(アンモニア含む)などが重要なオプションとなるとの見方を示した。
2050年カーボンニュートラル達成に向けては、各技術の相当な技術進展、コスト低減を見込んだとしても、現時点では相当な費用が推計されると指摘。環境と経済の好循環のためには、「原子力の活用」「需要側の対策」の重要性を強調した。
また、ロシアによるウクライナ侵略などの国際情勢に触れ、「エネルギー安定供給・安全保障」は第一に考えるべきと強調。経済性への配慮も重要性が高い課題であると指摘した。
三村会頭は、わが国の2050年カーボンニュートラルへの挑戦について「バラ色でない」と述べ、危機感を表明。「原子力、使用減、技術開発」の三つの取り組みの必要性を指摘した。
需要側の対策については、「事業サイドを徹底的にやる。省エネはコストダウンにもなり、取り組みやすい」と述べるとともに、技術開発のために必要な費用の問題を指摘。原発については、政府の責任で明確に位置付け、早期再稼働が必要との考えを示した。
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