海南商工会議所(和歌山県)はこのほど、中小企業に特化したAIツール「わかやまAi助(アイスケ)」の提供を開始した。同ツールは、和歌山県内の中小企業の課題である、限られた人的・時間的リソースの中で、急激に変化するビジネス環境への対応を支援することが目的。契機となったのは同所の調査で「AIを活用したいが何から始めればよいか分からない」と回答を得たことだ。中小企業の経営実務に特化したツールとして、ジャイロ総合コンサルティングと連携して導入した。
ツールは中小企業に特化した専門性、独自のアプローチ、豊富な機能、専門的な相談対応が特徴。ジャイロ総合コンサルティングの中小企業支援実績やデータベースを活用し、中小企業の実情を踏まえた具体的な提案や多角的、客観的な分析を行うことができる。また、AIは複数のモデルの選択が可能となっており、目的に応じて使い分けることができ、経営戦略から日常業務まで24時間365日サポートできる点も大きな特徴だ。
ツールの主要機能は①補助金・助成金マッチング支援②市場調査・競合分析③SNS運用・販売促進支援④新規事業・ビジネスプラン作成――の四つ。①では事業内容から最適な補助金を自動選定し、申請書類の作成サポートなどを行う。②では業界動向、競合他社の戦略を自動で分析し、新市場参入可能性を評価する。
③ではターゲット別にSNSに投稿する文章を自動生成するほか、プレスリリースの作成支援、効果的なキャッチコピーの提案を行う。④では事業アイデアの具体化支援、収益モデルの構築、プレゼン資料の自動生成を行う。
今後、実際の利用者の声を反映し、操作性の改善、中小企業のニーズに合わせた新機能の追加を予定している。また、AI活用セミナーを実施し、リテラシー向上、地域ぐるみでAI活用を推進する。
同所担当者は「わかやまAi助が会員企業の業務効率化に貢献し、地域経済の競争力向上とデジタル化推進の一翼を担うことを期待している」と述べた。