美濃加茂YEG
全国のYEGでは、地域の特性に応じたさまざまな事業に取り組んでいる。今回は、美濃加茂YEG(岐阜県)が取り組む「認知症サポーター養成講座」について紹介する。
美濃加茂市の高齢化率は約23%、山間部に至っては35%を超えている。高齢化率は今後も上昇が続く見込みであり、認知症の方も増加することが想定されることから、本人やその家族に対して、地域のサポートが必要になることは明らかである。
美濃加茂YEGは、同YEGメンバーに「認知症の方やその介護者が安心して暮らし続けることができる地域づくりを念頭に活動していってほしい」、また「認知症の方やその家族を温かく見守る応援者の立場でいてほしい」という思いから、2019年3月19日、初めての「認知症サポーター養成講座」を開催した。
講座では、美濃加茂市役所・高齢福祉課から4人の講師を迎えた認知症に関する講義に加えて、寸劇を実施。寸劇は、認知症の症状が出始めた方(劇中の役名は〝トメさん〟)の家での様子を描くだけではなく、買い物で店員さんとのお金のやりとりに苦労する、外出先で道が分からなくなるなどの具体的な設定で行われた。その後、グループに分かれて、〝トメさん〟の様子から気付いたことや、このようなときにはどのように対応すればよいかなどのテーマでディスカッションを行った。これにより、メンバーは、実際に認知症の方に遭遇した場合に、どのように対応すればよいかを実践的に学ぶことができ、認知症に関する正しい知識の習得と理解を深めることができた。
また、翌20日には、講座の受講メンバーから寄付を募り、美濃加茂市に高齢者福祉のための寄付金を贈呈した。
同YEGでは、設立当初から福祉事業を年間事業の中に取り入れており、昨年までは発達障害を持つ子どもたちが通う学校で、一緒に餅つきやゲームなどをして交流する事業も行っていた。これからも同YEGは福祉事業を取り入れ、高齢化社会などのさまざまな問題について考え、住みよい地域づくりのために活動していく方針だ。
美濃加茂YEG 平成30年度会長・酒向伸治氏のコメント
「認知症サポーター養成講座では、寸劇などにより、実際の認知症の方への接し方を分かりやすく学ぶことができました。メンバーからは、認知症に関する正しい知識の習得と理解を深める機会として、認知症の方と接するときは、驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけないことが大切であることを知ることができて参考になったとの声がありました。認知症だけに限らず、これからの高齢化社会におけるさまざまな問題について、若い世代であるYEGメンバーが気付き、考えることができるようになるとともに、今後も、この学びを業務や日常生活、YEG活動の中で生かしていきたいと思います」
取材・写真撮影:日本商工会議所青年部(日本YEG)広報委員会
最新号を紙面で読める!