子どもたちに日本人として誇りを持って世界へ出て行ってほしい
株式会社Jubilee International 代表取締役 ウィリアムズ 薫
英会話スクールから形態転換
私は音楽大学を卒業後、音楽教室に就職し、2〜3歳の幼児にリトミック(リズム表現による音楽教育)でピアノを教えていました。その後退職し、外国人の主人と結婚。2人の子どもを授かりました。長男が3歳のとき、私の資格と経験を生かして京都の地で「えいごでリトミック」という音楽教室でもなく、英語教室でもない全く新しい教室をスタート。この試みが大ヒットし、わずか2年で生徒が40人に達しました。
しかし、生徒の音楽力が伸びる一方で英語力は思うほど伸びず、レッスンカリキュラム、時間、方法など試行錯誤しましたが、私が一番教えたかった「スピーキング力」は効果を実感できませんでした。原因は脳が他言語を母国語と認識するまでに最低2000時間はその言語を聞くことが必要だと脳科学界で言われている一方で、当時は1週間に1回、50分のレッスンだったため、2000時間に到達するまでに何十年もかかるという点にありました。そこに英会話レッスンの限界を感じました。
そこで同時期に保育士資格を取得し、英会話レッスンからインターナショナルスクール(幼児を預かり英語で保育する施設)へとビジネス形態を変更しました。そして、保育時間中は全て英語で生活する環境を提供したのです。当園では英語で算数や理科を学ぶイマージョン・プログラム(未修得の言語を身につける学習方法)を取り入れており、ただ英語を話せるだけではなく英語を使っていろんなことを学び、子どもの興味と理解の世界を広げていきます。
第二の家であり第二の母でありたい
当園は、コストがかかるとされる「1クラス少人数サービス」を創業時より実践し、子どもたちが社会に出たときリーダーとして活躍してほしいと願い、適応力、チャレンジ精神、従順さ、親切さ、チームワーク力が養われるよう一人ひとりの個性を磨く手厚い保育を提供しています。ターゲットとして、海外から帰国した家族、グローバル社会に興味を持つ家族の入園者を募り、高付加価値のある教育、保育を提供する施設としてブランド力の向上を目指しています。また、卒園後も英語に触れる環境を提供しています。日々の保育のかかわりの成果、効果をすぐ確認できないものもあります。しかしやがて芽を出し花を咲かせてくれることを心より信じ願っています。
子どもは全てが未熟です。全てはその子にかかわる人びとにより良くも悪くもなります。心の教育をすることが私たち幼児教育者の使命です。そのことを念頭に置き、当園が子どもの第二の家であり、私たち保育者が第二の母となりたいと願い環境や雰囲気づくりに配慮しています。子どもたちが日本人として誇りを持って世界へ出て行き世界中の人とかかわりあったり、興味のある分野を世界中で存分に学んでほしいです。当園で育まれたコミュニケーション能力を生かし、世界を舞台に活躍してくれることを期待しています。
会社データ
社名:株式会社Jubilee International
所在地:京都府相楽郡精華町
創業:平成23年
事業概要:教育事業(インターナショナルスクールの運営)
※月刊石垣2016年6月号に掲載された記事です。
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