庄原商工会議所(広島県)や県立広島大学、庄原市を中心にキャベツ栽培を行う農業法人vegeta(ベジタ)など15団体で構成する「広島型キャベツ100ha経営スマート農業実証コンソーシアム」の事業がこのほど、農林水産省「スマート農業加速化実証プロジェクト」(事業主体:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)に採択された。今年度より2年間、vegetaの圃場(ほじょう)でスマート農業の実証事業を行う。
同事業が行われるのは標高800メートルの中山間地域に位置する大区画開発団地と標高300メートルに位置する小規模水田転換畑。雇用の確保が困難なこの地域で「より効率的な経営」を実現するためAI(人工知能)、スマート農機などを導入し、「少人数で収益性の高い大規模経営」を可能にする農業モデルを模索する。
具体的には、定植作業と在庫が連動する苗管理システムや気象データから収穫予測を立てる育成予測システム、ドローンリモートセンシング(ドローン撮影による追肥・除草・収穫適期判断)、データを自動集約する経営管理ソフト、リアルタイムモニター(圃場監視)、自動操縦機能付きトラクターといったスマート農機などを導入し、作業精度の向上と生産ロスの低減、遠隔監視や収穫予測による適期作業化、経営管理システムなどの効果を測定して経営全体への影響を検証する。
これにより高標高地の大規模開発団地および中標高地の小規模水田転換畑に最新のスマート農業の一貫体系を導入して経営管理システムを連動させ、標高差を生かした中山間地リレー出荷を実現する経営モデルの確立を目指す。
4月23日には第1回コンソーシアム全体会議を開催し、参加した16機関が今後行う事業のプレゼンテーションや意見交換を行った。
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