休業中の従業員と農家をつなぐ
塩尻商工会議所は、塩尻市内の農業協同組合(JA)や農業公社などと連携を図り、新型コロナウイルス感染症対策の影響により休業、または仕事が減少している会員事業者の従業員を対象に、人手不足の農家とマッチングする事業を4月中旬に開始した。
従業員を休ませざるを得ない会員事業者から多くの相談が寄せられていた同所は、地域の雇用を守るための対策を検討。こうした中で、農家では、労働力となる外国人技能実習生が入国制限などで来日できない事例も増え、5月からの繁忙期を控えて不安を抱えているとの情報を得た。そこで双方の力になりたいと考えた同所は、農家で働きたい従業員の情報をJAに提供し、人手不足の農家につなぐ仕組みをつくったという。4月中旬に最初の1人が就業開始し、5月中旬には、10件ほどのマッチング事例が生まれている。
休業となった事業所は、最低6割の休業手当を従業員に支払うが、家族や生活を支えるには十分ではないという人も多く、農作業をすることで収入を補える。同所では、会員事業者や農家の声を聞きながら、要望に応じて同様の取り組みを続け、一人でも多くの雇用につなげていきたい考えだ。
マッチングの第1号としてレタス農家に就業した宿泊施設従業員は「農業は未経験だが新鮮。頑張りたい」と話しているという。
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