政府は9月27日、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現などについて検討する「働き方改革実現会議」の第1回会合を開催した。会議に出席した日本商工会議所の三村明夫会頭は、「変えるべきものは変える大胆さと、残すべきものは残すという現実性とをどうバランスさせるかが問われている」と述べ、会議において現場の実態を踏まえた丁寧な議論の下での合意形成を求めた。
会議には、政府から安倍首相はじめ、関係閣僚9人、民間有識者として三村会頭ら15人が出席した。
三村会頭は、「年々深刻化する中小企業の人手不足の中で、今後の経済規模の縮小を防ぐためには、多様な人材の活躍推進と生産性向上の両方に同時に取り組んでいかなければならない」と主張。「この会議を通じて、多様な働き手がその意欲・能力に応じて活躍できる体制が整備されるとともに、わが国の雇用の大宗を占める中小企業の活力が強化されて、生産性向上につながることが重要」と述べた。
また、課題解決に向けて、「官民共に、まずは働き方改革に向けた取り組みは、粘り強く、長期間かかっても成し遂げるものという覚悟を持つことが大切」と指摘した。
安倍晋三首相は、働き方改革について、構造改革の柱となる改革と位置付け、「大切なのはスピードと実行」と強調。九つのテーマについて検討を指示し、「必ずやり遂げるという強い意志を持って取り組んでいかなければならない」と意気込みを語った。今後のスケジュールについては、年度内に具体的な実行計画を取りまとめた上で、通常国会に関連法案を提出する考えを示した。