日本商工会議所の三村明夫会頭はこのほど、一橋大学の寄附講座で特別講義を行った。講義では、「経営者の苦しみと喜び」をテーマに、新日鐵製鉄株式会社(現新日鐵住金株式会社)の社長として、5年間経営の舵取りを行った経験を踏まえ講演。社長という「経営者」が経営層とはどう違うのか、「経営者」に必要な能力の共通性、「経営者」故の苦しみと喜び、「経営者」の哲学などについて、ミッタル・スチールの買収戦略への対応や、住友金属工業との合併など、具体的な事例も交えながら語った。
社長に必要な能力について三村会頭は、「変化に対する対応力」と指摘。「従業員が働くことを誇りに持てる会社にしたいという思いで社長に就任した」と語るとともに、社長として問題に直面した時は「問題に真正面に向き合い『正道』を歩むべき」と述べた。最後に学生らに、「社長は苦しみもあるが、大いなる喜びもあるやりがいのある仕事。ぜひとも経営者を目指してもらいたい」とエールを送った。
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