佐賀商工会議所は、佐賀女子短期大学、佐賀市の老舗旅館「あけぼの」と共同で、佐賀藩の第10代藩主鍋島直正の長女・貢姫(みつひめ)にちなんだメニュー「貢姫御膳」を考案し、同旅館で提供している。1845(弘化2)年、貢姫が7歳で佐賀から江戸に移った際の祝い膳を再現したもの。新たな観光資源として期待されている。
メニューが載っている当時の資料を基に、現代風のアレンジも加えつつ、全11品の御膳として再現した。祝い膳らしくタイがふんだんに使われており、刺身はしょうゆではなく酒やカツオ、梅干しなどを煮詰めた「煎り酒(いりざけ)」で食べるなど、当時の食文化を感じることができる。器には佐賀藩の御用達であった今右衛門窯(いまえもんがま)の有田焼が使用されており、幕末のお姫様気分を堪能できる。貢姫御膳は同旅館で、1日30人限定で提供しており、1人6000円(税込み)。2日前までの予約が必要で、1組3人以上から予約できる。
昨年3月、直正の銅像再建を機に、直正が幕府の役人に提供したとされる「おもてなし御膳」を同市の老舗料亭「楊柳亭(ようりゅうてい)」で再現。おもてなし御膳が好評を博したため貢姫御膳の再現にも着手し、このたび販売に至った。
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