政府は11月24日、経済財政諮問会議を首相官邸で開催し、最低賃金について議論を行った。会議に出席した三村明夫日本商工会議所会頭は、「最低賃金は収益力の弱い、特に中小・零細企業にとってより影響が大きい」と強調。大企業に比べ、中小企業の収益状況は依然厳しい状況が続いていることから、「目標の設定に関しては、影響の大きさに鑑みて、GDP600兆円ありきで、それを実現するための最低賃金という発想ではなく、現実を踏まえて慎重に判断していただきたい」と安易な最低賃金の引き上げに警鐘を鳴らした。
また、企業規模が小さくなるほど、労働生産性の向上に取り組めていない傾向にあることから、政府に対して取引価格の適正化など中小企業が求める生産性向上支援策の推進を強く求めた。
安倍首相は、「最低賃金を、年率3%程度を目途として、名目GDPの成長率にも配慮しつつ引き上げていくことが必要」と述べ、「これにより、全国加重平均が千円となることを目指す」との考えを表明。併せて、中小企業や小規模事業者の生産性向上などのための支援や取引条件の改善などに取り組むよう関係閣僚に指示を出した。
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