日本商工会議所は11月16日、意見書「『エネルギー基本計画』の見直しに対する意見」を取りまとめ、政府など関係各方面に提出した。同意見書は、政府が8月からエネルギー基本計画見直しに向けた検討を行っていることを受け取りまとめたもの。2部構成になっており、第1章では2014年4月に現行エネルギー基本計画が策定されてからのエネルギー・環境を取り巻く現状認識と政策の方向性について商工会議所の考え方を示している。
具体的には、15年7月に公表された現行の長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)は、15年4月に取りまとめた日商の提言と大きな差異はないことから、現行エネルギーミックスの電源構成実現に向けた着実な取り組みを求めている。一方で、電力コストについては、現行のエネルギーミックスに記載された政府方針と日商の提言の間に大きな差異があり、かつ16年度の産業用電力コストは、10年度と比較し依然として14%上昇しているため、電力コスト削減に向けた取り組み強化を要望している。
第2章では、エネルギーコスト負担軽減のため、安全性確保を前提とした原子力発電所早期運転再開へ向けた取り組み強化や再エネ固定価格買取制度(FIT)の買取価格大幅引き下げなどを求ている。また、現行のエネルギーミックス実現を目指すための取り組み強化として、原子力発電所の新増設・リプレースの必要性に係る検討など重要なベースロード電源である原子力の維持に向けた取り組みの促進、国民負担抑制のためのFIT制度の根本的な見直しを含めた在り方の検討、コスト削減につながる技術開発支援などによる再生可能エネルギーの普及支援などを掲げている。