クラウドファンディングのCAMPFIREと連携日本YEGがキュレーションチャンネルを開設
不特定多数の人からインターネットを通じて資金を集め事業化するクラウドファンディングが注目されている。この仕組みを活用し、感動できる新しいビジネスを地域から創造するYEGの取り組みを紹介する。
平成28年9月18日、日本YEGは、クラウドファンディングを運営する株式会社CAMPFIRE(東京都渋谷区)と連携し、YEGメンバーが取り組む事業を掲載するキュレーションチャンネル(特定の情報を収集し、まとめたウェブサイト)をオープンした。平成29年3月までに10プラン以上の掲載を目指すとともに、次世代企業家育成事業、ソーシャルビジネスへの展開も視野に入れる。
個々の取り組みを複数で支援
全国のYEGメンバーの中には、新しい製品の開発や地域の名産品の商品化などのためにクラウドファンディングを活用し、大きな成果を上げた例がある。こうしたことから、今回、YEG全体としてもクラウドファンディングに取り組むこととなった。
クラウドファンディングとは、不特定多数の人からインターネットを通じて資金等を集める仕組みで、群衆(Crowd)と 資金調達(Funding)という言葉を組み合わせた造語である。金融機関などでは融資が難しい製品やサービスのアイデアであっても、それに共感した複数の支援者から少額ずつ出資を受けることで事業化が可能となることから、世界中で注目されている。
クラウドファンディングへの主な出資の形態として、純粋に支援のみを目的とする「寄付型」や配当金などが受け取れる「金融型」、出資額に応じて商品やサービスなどが受けられる「購入型」があるが、YEGメンバーの多くは「購入型」を活用し、新事業の展開に挑戦している。
なぜクラウドファンディングか
クラウドファンディングは資金を集めることが第一の目的であるが、集客力のあるクラウドファンディングの運営サイトに掲載されることで、より多くの人に事業のPRができるというメリットもある。
日本YEG広報委員長山中白(あきら)氏は、CAMPFIREとの連携について、「さまざまなクラウドファンディングサイトの中で、YEGの文化や考え方に最も近いと感じたのがCAMPFIREでした」とし、「日本YEGでは、信頼と感動があってビジネスは成功すると考えています。同社は、通常のビジネス実現プロジェクトから、社会貢献型プロジェクトや本の出版、個人の結婚式の費用募集までさまざまな夢を叶え、感動をつくり出すような幅広いプロジェクトを取り扱っています。これは、28年度の日本YEGのスローガンであり、YEGメンバー同士の相互利益を目的とする『YEGベネフィット』を実現するために必要な要素だと考えました」とその経緯を説明した。
また、「シンプルな手数料も大きな魅力。多くのクラウドファンディングの手数料は15~20%が相場ですが、同社の手数料は5%なので、少しでも多くの資金を調達したいYEGメンバーにとって、大きなメリットとなるでしょう」と話した。
連携後の取り組みと今後の展開
CAMPFIREとの連携後すぐに「CAMPFIRE×日本YEG」ウェブサイトをオープン、ブランド牛の「松阪牛」に負けないくらいおいしいという「松阪豚」をPRするプロジェクトと、フランスの著名なワイナリーと連携して日本のまだ知られていない食材をPRするプロジェクト、スペインのメタリックスパークリングワインをPRするため東京で行われるイベントに出店する費用を募集するプロジェクトの三つを掲載した(現在は、募集終了)。 今後について山中氏は、平成29年3月までに10プラン以上の掲載を目指すという。また、「さらに新しい感動できるビジネスの創造はもちろん、被災地の経済復興、高校生のビジネスプランの商品化など次世代企業家育成のための事業やソーシャルビジネスへの展開を図りたい」と述べた。
平成28年11月24日から兵庫県加古川市で開催される「日本商工会議所青年部第34回全国会長研修会かこがわ会議」では、YEGメンバーに新しいビジネスモデルの構築、現業の見直しの機会を提供する「ビジネスプランコンテスト」のグランプリが発表される。そこで、グランプリ受賞者だけでなく、優秀者にもクラウドファンディングによる事業化ができるよう支援を実施する予定だ。
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