静岡商工会議所は、同所事業「社会人メンター制度」の利用を促進するため、同制度の情報提供サイト「しずおかメンターリンクステーション」を11月に開設した。同所会員企業の社員などが「社会人メンター」となり、地元就職を考える学生の就職相談などに応じる。新たに開設されたサイトでは、各メンターのプロフィールやメンターとの交流会の情報などを発信している。メンターを通じて学生と地元企業のマッチング機会拡大を目指す。
同所は、昨年4月に就職支援課、今年4月に雇用対策課を新設の上、「人づくり」を盛り込んだ第3次中期行動計画(計画期間2017~19年度)の中核事業として、「社会人メンター制度」を実施している。静岡県内外に進学している地元出身の学生をターゲットに、地域企業の人材確保支援に注力する。
同所は以前、就職支援事業として会員企業の合同企業説明会などを行っていた。しかし、現場の声をもっと聴きたいとの要望があったため、相互に対話が可能な同制度を創設した。
同制度の情報提供サイト「しずおかメンターリンクステーション」では、メンターの所属会社名や部署、仕事内容などプロフィールを検索でき、また、メンターが参加する交流会の情報を得ることができる。交流会は、今年は計10回程度の開催を予定しており、学生にとって「従来の企業説明会より社会人と話しやすい」と評判だ。地元に戻るかどうか迷っていた学生が交流会に参加したところ、「地元での就職と生活がイメージできた。地元に戻りたい」と考えるようになったという。
そのほかの特徴ある就職支援事業として、同所は、学生への企業情報誌配布も行っている。同市内の全日制高等学校26校の在校生および卒業生(卒業後3年以内)を対象に3万部配布しており、保護者も含めて地元企業について周知することが目的だ。同所では、「学生や保護者、事業者に対して多面的に働き掛け、地元企業への就職を推進したい」と話している。
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