豊中商工会議所(大阪府)に事務局を置く豊能地域応援ファンド事業実行委員会は、9月に「豊能地域応援ファンド事業」の対象事業者を採択の上、今月から順次、各採択事業者のファンドを立ち上げる。同事業は、クラウドファンディングなどの手法を用いた小口投資である「ふるさと投資」を活用し、事業者のファンド設立を支援することで、地域の中小企業の資金調達などを後押しする。採択された事業者には、ファンド設立の初期費用などが提供される。
「ふるさと投資」とは、事業者がインターネットを介して個人から少額の資金を調達し、資金提供をした個人に対して自社商品などを提供するとともに、事業に利益が生じた場合には資金提供者に対して分配金も支払う制度。株式投資とふるさと納税の特徴を併せ持ち、地方創生を促進する制度として注目されている。
同委員会は、ふるさと投資の仕組みを活用することで、事業者の資金調達を支援するとともに、地域の中小企業の取り組みを全国に発信し事業者の「ファン」を創出する。ふるさと投資を活用すると、個人事業主など非上場企業でも広く一般から資金調達が可能だ。地域の小規模事業者に対して「応援」の意味を込めて小口投資を行うといった動きも広がっているという。
同委員会は、事務局を務める豊中商工会議所をはじめ、池田商工会議所、箕面商工会議所、豊能町商工会、能勢町商工会、池田泉州銀行、北おおさか信用金庫で構成される。今回は、5社がふるさと投資を活用した支援対象として採択された。採択の基準は、豊能地域に事業所を有する中小企業の事業であること、地域資源を活用した商品・サービスを提供する事業であること、商品・サービスに対するこだわりが全国各地の人から共感を得られる事業であることなど。同委員会は、採択を受けた事業者に対し、ファンド設立の初期費用などを提供するとともに、事業計画に関する助言など経営支援を行う。豊中商工会議所は、「中小・小規模事業者のファンづくりと資金調達の手段として、投資型ファンドの活用を広めたい」と話している。
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