日本商工会議所は3日、「人手不足などへの対応に関する調査」の集計結果を公表した。中小企業における人員の過不足状況について、60・6%の企業が「不足している」と回答。昨年度調査よりも5・0ポイント上昇し、3年連続で人手不足感が強まっている。業種別に見ると、宿泊・飲食業が83・8%で最多。運輸業(74・1%)、介護・看護(70・0%)、建設業(67・7%)が後に続いている。調査は、3~4月にかけて全国の中小企業など4072社を対象に実施。2776社から回答を得た。
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従業員規模別に見ると、従業員101人以上の企業では「不足している」が7割を超えた。一方、5人以下の企業では、46・5%と半数以下で、従業員規模によって過不足感に差が大きく出ており、おおむね従業員規模が大きくなるほど不足感が高くなっている。 人手が不足していると回答した企業に人員が充足できない理由を聞いたところ、「募集をしても応募が無かった」が63・4%でトップ。次いで「自社が求めていた人材ではなかった」(48・0%)、「内定を出し、入社したものの、定着しなかった」(27・5%)となり、募集段階の課題もさることながら、入社後の定着に関する課題についても明らかになった。
企業が求める人材は「即戦力となる中堅層、専門家」が62・0%で最多。次いで「一定の経験を有した若手社員(第二新卒など)」(60・3%)となり、社内教育を必要とする新卒社員よりも経験を有する若手社員を求める傾向となっている。新規学卒者については、「大学卒、院卒」が37・9%、「高卒」が40・3%で、「大学卒、院卒」よりも「高卒」を求める割合が高くなっている。一方、管理職経験者を求める割合は15・3%にとどまり、企業は、即戦力となる者と将来を担う新卒社員を求めていることが伺える。
求める人材を従業員規模別に見ると全ての規模において「即戦力となる中堅層、専門家」「一定の経験を有した若手社員(第二新卒など)」が上位を占めている。他方、51人以上の企業では、「新規学卒者(大学卒、院卒)」の割合が50%を超え、一定の従業員規模の企業では、即戦力となる社員の他、新規学卒者へのニーズも高い結果となった。
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