日本商工会議所は、海外に進出している中堅・中小企業の安全対策を協議するタスクフォースを外務省と共同で立ち上げ、8月15日に第1回会合を開催した。会合には日商から石田徹専務理事ら10人、外務省からは能化正樹領事局長ら11人が出席した。
7月に発生したバングラデシュでのテロ襲撃を受け、外務省はODA関係者の安全対策検討のための「国際協力事業安全対策会議」、また、ODA関係者以外の在外企業・法人の安全対策強化として昨年5月に取りまとめた在外邦人の安全対策強化に係る提言の実施状況を点検するチームの2つを設置。提言の点検チームでは日商が安全対策についてヒアリングに応じたほか、7月に開催した日商と岸田文雄外務大臣との懇談会の後、海外で事業展開している企業の安全対策について相互に協力することに合意し、今回のタスクフォースが発足した。
会合の冒頭にあいさつした石田専務理事は、「日本企業の海外展開は中堅・中小企業によるものを含めて今後も拡大していくことが見込まれ、また、発展途上国への援助の重要性も高まっていくと考えられる中で、テロのような事件に巻き込まれる可能性が高まっているのも事実」と指摘。安全対策のための情報、ノウハウ、人材が不足している中堅・中小企業に向けた的確でタイムリーな情報提供などの政府の支援を求めた。
会合では、日商と外務省が有するネットワークの活用をはじめ、海外安全対策における中堅・中小企業との連携を強化するための具体的な方策などについて意見交換を実施。幅広い関係機関が参加する場の創設など、安全面に関する情報共有や意見交換などの促進のために必要な方策について、今後さらに検討していくこととした。
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