日本商工会議所は7月19日、「2019年度中小企業・地域活性化施策に関する意見・要望」および「地域・中小企業におけるIT・IoT等の活用推進に関する意見」を取りまとめ、政府など関係各方面に提出した。日商の西村貞一中小企業委員長(大阪・副会頭)は同日、中小企業庁の前田泰宏次長に意見書を直接手渡し、意見書の内容の実現を強く求めた。(意見書概要2面、3面に)
中小企業・地域活性化施策に関する意見では、「大企業との格差拡大や深刻な人手不足が成長の大きな阻害要因となっている中小企業にとり生産性の向上は不可欠であり、特にわが国産業の〝苗床〟である小規模事業者の成長と発展を後押しする施策の抜本的強化が必要」と指摘。中小企業・小規模事業者の活力強化や、地方創生を実現するための地域潜在力強化などに向けた各種施策を提案している。
具体的には、小規模事業者のチャレンジを後押しするため、小規模事業者に対する支援体制の抜本的強化や新事業展開などを促す販路開拓・設備投資などへの後押しを要望。また、生産性向上や人手不足対策などに資するIT・IoTなどの導入・活用促進や中小企業の「フィンテック社会」への対応促進も求めている。
ITの活用推進に関する意見では、人手不足で苦しむ中小企業にとって、ITやIoTなどの活用による生産性向上が有効として、「IT導入補助金」をはじめとする施策の継続展開を訴えている。加えて、こうした支援が実効性のあるものとなるよう、ITベンダー主導ではなく、中小企業自らが取り組むIT活用を推進するために、中小企業の「業務プロセスの見直し」を継続支援する専門家派遣制度の創設を提案している。
さらに、ものづくり中小企業のIoTへの取り組みを支援すべく、自社の規模に見合う、安価で使いやすい「身の丈IoT」の活用を指摘。町工場に残る機械の稼働率を上げ、生産性向上を実現するために、「身の丈IoT」活用事例の提供機能強化を要請している。
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