中国に進出している日系企業で組織する日本人商工会議所「中国日本商会」はこのほど、中国の中央政府および地方政府との対話促進に向け、日系企業が直面している課題の分析や解決のための建議を取りまとめた「中国経済と日本企業 2018年白書」を公表した。建議の全体コンセプトは「公平性の確保」。「近代的な市場体系の完備」「行政管理体制改革の深化」「全面的開放に向けた新枠組みの完備」の3点を建議のテーマとしている。
具体的には、秩序ある競争が行われる市場体系の建設のため、公平競争の阻害となっている各種制度の見直しや、国内企業と外資企業との公平な待遇、知的財産権制度の一層の改革などを要望している。そのほか、法治政府・サービス型政府の建設のため、行政手続きの簡素化・迅速化、許認可・認証の大幅な廃止などを提言している。
また、特に今年の重点分野として「環境」と「物流」の2点を強調。環境規制の実施に当たっては、客観的かつ内外無差別で公平な基準の提示と事前通知の徹底を要望している。また、新たな規制を導入する際には、科学的かつ合理的な基準の策定と統一的な運用体制の完備を求めている。
物流については、サプライチェーンの連結性・効率性の向上のため、通関、流通、輸送などに関する人的・物的・制度的インフラのさらなる整備を要請。輸出入時のHSコード分類の判断の統一や事前裁定制度の確実な実施および各種行政対応の迅速化など、予見可能性の向上に資する制度の整備が必要としている。
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