日本商工会議所と全国商工会議所女性会連合会(全商女性連)は4日、「第17回女性起業家大賞」の受賞者を発表した。最優秀賞には、株式会社アイエフラッシュ(埼玉県さいたま市)の南まゆ子代表取締役が輝いた。その他、優秀賞2人、奨励賞3人、特別賞2人が選ばれた。
最優秀賞の南さんは、まつげエクステサロン14店舗、リラクゼーションサロン6店舗、美容スクール2校など幅広い事業を展開している。選定に当たっては、女性が働きやすい職場環境の整備と技術・能力開発を目的とした人材育成システムを構築したこと、地域密着型の店舗を展開し、美と雇用を創出していることなどが高く評価された。
南さんは、自身の経験を生かし、出産後の女性が社会復帰しやすく働きやすい環境を整えたいと、「現代の女性を応援する会社」を理念の一つに掲げ、社員がライフイベントとキャリアを両立し、多様な働き方を実現できる社内システムを構築している。年間の休日を美容業界の平均80日を大きく上回る120日に設定するとともに、有給消化はほぼ100%を達成したほか、「時短制度」「週休三日社員」「土日休み社員」といった制度を設けている。
能力開発支援としては、未経験者でも効率的に技術や接客方法を習得できるよう、サロン内の研修でなく、研修専門の施設で専任スタッフが指導しているほか、「女性のための能力開発プログラム」を導入し、キャリアや生活に関わる広い知識の習得を促進している。こうした取り組みによって、質の高いサービスを提供するだけでなく、まつげエクステの施術時間を他社の半分程度に抑えることに成功し、顧客リピート率は8割以上を誇っている。
スタートアップ部門(創業5年未満)の優秀賞は、離職した看護師を活用した介護関連サービスを提供しているN.K.Cナーシングコアコーポレーション合同会社(鳥取県米子市)の神戸貴子代表社員、グロース部門(創業5年以上10年未満)の優秀賞は、学生服専門の買い取りと販売リユースショップを展開している株式会社サンクラッドの馬場加奈子代表取締役(香川県高松市)が受賞した。
女性起業家大賞は、女性ならではの視点で、革新的・創造的な企業の創業や経営を行い、事業を成功させている女性起業家を顕彰し、奨励・支援することを目的として2002年にスタートした。最優秀賞と優秀賞を受賞した3人は、10月3日に岩手県盛岡市で開催される全国商工会議所女性会連合会創立50周年記念式典・第50回岩手総会で表彰される予定となっている。
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