少子高齢化が急速に進む中、若年者を取り巻く雇用環境も厳しさを増している。今回の「挑む」では、日本の将来を担う人材を育成すべく、教育支援や協力活動などキャリア教育を活発に行い、顕著な功績を挙げている好事例を紹介する
一宮商工会議所(愛知県)では、一宮の食文化として定着している喫茶店など「モーニングサービス」(特に朝の時間帯、ドリンク代のみで、トーストやゆで卵、サラダなどが付くサービス)を全国発信するため、市・大学・高校・食品関係者などの団体とともに「一宮モーニング協議会」を設立している。協議会では、独特の「一宮モーニング」文化を売り込もうと平成19年から、「モーニング博覧会」を毎年開催。昨年も10月に、若者のビジネス感性を磨き、職業観を育むため、生徒・学生が地産地消を意識したモーニングを創作・販売する体験イベントをJR一宮駅ビルで実施している。
地域の高校生・大学生がオリジナルのモーニングメニューを提供したイベントには、オープンの午前9時前から行列ができ、お昼過ぎには完売。3日間合計で約800食を売り上げる盛況ぶりを見せた。
実際に、材料の選定や仕込み、店内の装飾、接客、会計処理など一連の喫茶店営業体験を行うため、参加した生徒・学生の多くが、メニューの開発やコスト管理の難しさを実感。プロの仕事への熱い思いに触れるとともに、仕事の醍醐味(だいごみ)を味わい、大変さとやりがいの両方を体感した。同所では、今後も一宮モーニングといいう地域資源を活用し、若者の職業観を醸成できる事業を実施していく。
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