少子高齢化が急速に進む中、若年者を取り巻く雇用環境も厳しさを増している。今回の「挑む」では、日本の将来を担う人材を育成すべく、キャリア教育を活発に行い、顕著な功績を挙げている好事例を紹介する。
丸亀商工会議所(香川県)は丸亀市、商店街連合組合との連携で平成25年から、プロのデザイナーを目指す専門学校生を対象に、企業のオリジナルロゴマークや、商品パッケージのデザインを制作する機会を創出している。ロゴマーク作成を通じ、学生のキャリアアップと、市内商工業の振興などを目的に同事業を企画。企業が自己負担なしでロゴマークを提供できるよう、市の補助金と同所の助成金をあわせて、学生にデザイン料(1万円)を支払っている。
同事業は毎年夏に募集をし、先着10社が学生にロゴマークを作成してもらうこととなる。企業のニーズを同所から学校側に伝え、学校が適した学生を選定。その後、企業と学生による意見交換会や打ち合わせが複数回実施され、秋ごろにはロゴマークが出来上がる。
同事業で実際にロゴマークをつくった企業からは、「自社製品の包装紙などにも印刷して活用したい」などとの声も聞かれ、学生からも「改めてデザイン関連の仕事に就きたいと再認識した」と双方にとって良い結果を生んでいる。事業効果も口コミで広がり、年々応募数も増加。さらに、同市の商店街にある空き店舗のシャッターなどにも学生がデザインを描き、まちのにぎわい創出にも一役買っている。
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