日本商工会議所は11月30日、11月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を発表した。調査期間は11月13~19日。全国422商工会議所が2960企業に調査した。
11月の全産業合計の業況DIは、マイナス18・1と、前月からマイナス0・6ポイントのほぼ横ばい。日商では、「インバウンドを含む観光需要や住宅投資の下支えに加え、原油安による恩恵も一部で見られる」と分析している。
他方、人手不足に伴う受注機会の損失や営業活動への支障を指摘する声が多く、人件費の上昇や価格転嫁の遅れなどにより業績改善に向けた動きが鈍化。また、「中国経済の減速や個人消費のもたつきもあって、中小企業の景況感は、足踏みが続く」と指摘している。
先行きについては、先行き見通しDIがマイナス16・3(今月比プラス1・8ポイント)と改善を見込むものの、「悪化」から「不変」への変化が主因であり、実体はほぼ横ばい。観光需要と住宅投資による下支えに加え、冬の賞与増や年末年始の商戦などを契機とする消費の盛り上がりを期待する声が伺える。一方で、人手不足や人件費の上昇、価格転嫁の遅れなどの課題を抱える中、新興国経済や消費者心理の動向など懸念材料も多く、日商では、「中小企業においては、先行きの不透明感から、慎重な見方が続く」と分析している。
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