日本商工会議所は2月16日、自由民主党首脳との懇談会を都内で開催した。冒頭にあいさつした日商の三村明夫会頭は、「安定政権という世界に誇る政治的資産を、潜在成長率の引き上げにつながる重要政策に振り向けてほしい」と述べた。懇談会には日商から三村会頭はじめ、尾崎裕副会頭(大阪・会頭)、山本亜土副会頭(名古屋・会頭)、上野孝副会頭(横浜・会頭)、立石義雄副会頭(京都・会頭)、家次恒副会頭(神戸・会頭)、竹﨑克彦副会頭(高松・会頭)、鎌田宏副会頭(仙台・会頭)、福田勝之副会頭(新潟・会頭)、礒山誠二副会頭(福岡・会頭)、岩田圭剛副会頭(札幌・会頭)ら14人が出席。自民党からは高村正彦副総裁はじめ、二階俊博幹事長、細田博之総務会長、茂木敏充政務調査会長ら11人が出席した。
三村会頭は、アベノミクスを通じた潜在成長率の引き上げには、民間が積極的に事業活動に注力することが必要との考えを示し、政策面による後押しを要望した。また、日本の重要課題として自由貿易体制の拡大を挙げ、日米首脳会談で新たな経済対話の枠組みがスタートすることになった点について「心強い」と評価。引き続き、あらゆる機会を通じて、自由貿易の価値を各国に粘り強く訴えていくよう求めた。
人口減少問題については、「高齢者に偏った社会保障給付を見直し、恒久財源を少子化対策に大きく振り向けることが不可欠」と強調。「こうした構造改革は一部の人には痛みも伴うことから、丁寧な説明と、利害の調整という政治本来の役割が重要」と述べ、安定政権の責務として改革を実現するよう求めた。
高村副総裁は、「中小企業にとっては、人手不足も賃上げも大変な環境」との認識を表明。「大企業に対し中小企業との適正な取引を行うよう、働き掛けるとともに、優越的地位の乱用を防止する体制を整えたい」と述べた。また、新たな経済対話の枠組み構築について、日米首脳会談における最大の成果として期待を寄せた。
懇談では、日商側から、中堅・中小企業対策、人手不足、働き方改革、地方創生、社会資本整備、震災復興と福島再生、などの諸問題への対応を要請した。
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