日本商工会議所は7月31日、7月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果とともに、「コスト増加分の価格転嫁の動向」について、全国の中小企業にヒアリグした結果を発表した。調査期間は7月15~22日。
消費者向け商品・製品におけるコスト増加分の価格転嫁について、「全て転嫁できている」と回答した企業(全産業)は、9.7%、「全く転嫁できていない」と回答した企業(全産業)は、31・4%となった。
ヒアリングした中小企業からは、「サービスなどで付加価値を高め、仕入コスト上昇分の一部を価格に転嫁できたが、これ以上の転嫁は顧客離れを招くため、難しい」(総合百貨店)「食材の値上げに加え、アルバイト時給が千円を超えるなど負担増が続いているが価格転嫁できない」(飲食店)など、対応に苦慮する声が聞かれた。
また、企業向け商品・製品については、「全て転嫁できている」と回答した企業(全産業)は、8.8%、「全く転嫁できていない」と回答した企業(全産業)は、30・5%となった。
ヒアリングした中小企業からは、「取引先の理解が進み、一部ではあるが燃料や運賃などのコスト上昇分を価格転嫁できた」(窯業・石灰加工)との声がある一方で、「資材価格や人件費などが高止まりする中、受注競争が激化しているため、転嫁が難しく、収益を圧迫している」(総合建設)と経営環境から価格転嫁できないと訴える声も寄せられた。
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