日商 Assist Biz

更新

人口減少・高齢化対策 コンパクトシティ形成を後押し 第4次社会資本整備重点計画(抜粋)民間投資誘発に重点 既存施設も有効活用

主なKPI指標

政府はこのほど、平成32年度までの5年間の社会資本整備重点計画(第4次計画)を閣議決定した。新計画では、戦略的メンテナンス、既存施設の有効活用に重点的に取り組む方針を示すとともに、4つの重点目標と13の政策パッケージを設定。重点施策とKPIを定めている。特集では、重点目標とその事業概要を紹介する。

第1章 社会資本整備をめぐる状況の変化と基本戦略(略)

第2章 社会資本整備の目指す姿と計画期間における重点目標、事業の概要

○4つの重点目標と13の政策パッケージ、それぞれにKPIを設定

○政策パッケージごとに、現状と課題、中長期的な目指す姿、計画期間における重点施策、KPIを体系化

重点目標1 社会資本の戦略的な維持管理・更新を行う

1-1 メンテナンスサイクルの構築による安全・安心の確保とトータルコストの縮減・平準化の両立

メンテナンスの構築と着実な実行により、規模の適正化を図りつつ機能の高度化を実現

〇個別施設ごとの長寿命化計画の策定率【各施設分野において100%を目指す】

1-2 メンテナンス技術の向上とメンテナンス産業の競争力の強化

メンテナンスに係る技術者の確保・育成や新技術の開発・導入の推進

〇現場実証により評価された新技術数【H26=70件→H30=200件】

重点目標2 災害特性や地域の脆弱性に応じて災害などのリスクを低減する

2-1 切迫する巨大地震・津波や大規模噴火に対するリスクの低減

南海トラフ地震・首都直下地震などへの重点的な対応

〇公共土木施設などの耐震化率など【(緊急輸送道路上の橋梁の耐震化率)H25=75%→H32=81%など】

〇地震時などに著しく危険な密集市街地の面積【H26=4547ha→H32=おおむね解消】

〇市街地などの幹線道路の無電柱化率【H26=16%→H32=20%】

〇南海トラフ巨大地震・首都直下地震などの大規模地震が想定されている地域などにおける河川堤防・海岸堤防などの整備率および水門・樋門などの耐震化率【(河川堤防)H26=約37%→H32=約75%、(海岸堤防など)H26=約39%→H32=約69%、(水門・樋門など)H26=約32%→H32=約77%】

〇最大クラスの津波・高潮などに対応したハザードマップを作成・公表し、住民の防災意識向上につながる訓練(机上訓練、情報伝達訓練など)を実施した市区町村の割合【H26=0%→H32=100%】

2-2 激甚化する気象災害に対するリスクの低減

頻発・激甚化する水害・土砂災害への対応の強化

〇人口・資産集積地区などにおける河川整備計画目標相当の洪水に対する河川の整備率および下水道による都市浸水対策達成率【(河川整備率・国管理)H26=約71%→H32=約76%、(県管理)H26=約55%→H32=約60%、(下水道)H26=約56%→H32=約62%】

〇最大クラスの洪水・内水、津波・高潮などに対応したハザードマップを作成・公表し、住民の防災意識向上につながる訓練(机上訓練、情報伝達訓練など)を実施した市区町村の割合【H26=0%→H32=100%】

〇最大クラスの洪水などに対応した避難確保・浸水防止措置を講じた地下街などの数【H26=0%→H32=約900】

〇要配慮者利用施設、防災拠点を保全し、人命を守る土砂災害対策実施率【H26=約37%→H32=約41%】

〇土砂災害警戒区域などに関する基礎調査結果の公表および区域指定数【(公表)H26=約42万区域→H31=約65万区域、(指定) H26=約40万区域→H32=約63万区域】

2-3 災害発生時のリスクの低減のための危機管理対策の強化

TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)の充実・強化やタイムライン(防災行動計画)の導入促進

TEC-FORCEと連携し訓練を実施した都道府県数【H26=17都道府県→H32=47都道府県】

〇国管理河川におけるタイムラインの策定数【H26=148市区町村→H32=730市区町村】

〇国際戦略港湾・国際拠点港湾・重要港湾における港湾の事業継続計画(港湾BCP)が策定されている港湾の割合【H26=36%→H28=100%】

2-4 陸・海・空の交通安全の確保

道路、鉄道、海上、航空における交通事故の抑止

〇道路交通における死傷事故の抑止【(信号機の改良などによる死傷事故の抑止件数)H32年度までに約2万7000件/年抑止など】

〇ホームドアの整備駅数【H25=583駅→H32=800駅】

重点目標3 人口減少・高齢化などに対応した持続可能な地域社会を形成する

3-1 地域生活サービスの維持・向上を図るコンパクトシティの形成など

(詳細版左掲)

3-2 安心して生活・移動できる空間の確保(バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進)

高齢者、障害者や子育て世代などが安心して生活・移動できる環境の実現

〇公共施設などのバリアフリー化率など【(特定道路)H25=83%→H32=100%など】

3-3 美しい景観・良好な環境の形成と健全な水循環の維持または回復

地域の個性を高める景観形成やグリーンインフラの取り組み推進

〇景観計画に基づき取り組みを進める地域の数(市区町村数)【H26=458団体→H32=約700団体】

〇都市域における水と緑の公的空間確保量【H24=12・8㎡/人→H32=14・1㎡/人】

〇汚水処理人口普及率【H25=約89%→H32=約96%】

3-4 地球温暖化対策などの推進

温室効果ガス排出量の削減など「緩和策」と、地球温暖化によるさまざまな影響に対処する「適応策」の推進

〇都市緑化などによる温室効果ガス吸収量【H25=約111万t-CO2/年→H32=約119万t-CO2/年】

〇下水汚泥エネルギー化率【H25=約15%→H32=約30%】

重点目標4 民間投資を誘発し、経済成長を支える基盤を強化する4-1 大都市圏の国際競争力の強化

世界に伍する都市環境の形成や国際空港・港湾の機能強化

〇特定都市再生緊急整備地域における国際競争力強化に資する都市開発事業の完了数【H26=8→H32=46】

〇三大都市圏環状道路整備率【H26=68%→H32=約80%】

〇首都圏空港の国際線就航都市数【H25年=88都市→H32年=アジア主要空港並み】

〇国際コンテナ戦略港湾へ寄港する基幹航路の便数【(北米航路)H30=デイリー寄港を維持・拡大など】

4-2 地方圏の産業・観光投資を誘発する都市・地域づくりの推進

(詳細版左掲)

4-3 わが国の優れたインフラシステムの海外展開

官民連携による交通・都市開発関連のインフラシステムの海外展開の推進

〇わが国企業のインフラシステム関連海外受注高【(建設業)H32=1兆円→H32=2兆円など】

第3章 計画の実効性を確保する方策

多様な効果を勘案した公共事業評価などの実施/政策間連携、国と地方公共団体の連携の強化/社会資本整備への多様な主体の参画と透明性・公平性の確保/社会資本整備に関する情報基盤の強化/効果的・効率的な社会資本整備のための技術研究開発の推進/地方ブロックにおける重点計画の策定/重点計画のフォローアップ

3-1 地域生活サービスの維持・向上を図るコンパクトシティの形成など

コンパクトな集積拠点の形成など

・都市の中心拠点や生活拠点に、居住や医療・福祉・商業などの生活サービス機能を誘導するとともに、公共交通の充実を図ることにより、コンパクトシティの形成を推進

・コンパクトシティの実現を図るため、都市・地域における安全で円滑な交通を確保し、徒歩、自転車、公共交通などの多様なモードを連携した、総合的な都市交通システムの構築

・地域において安全で快適な移動を実現するため、通勤や病院などの日常の暮らしを支える生活圏の中心部につながる道路網や、救急活動に不可欠な道路網の整備を推進するとともに、隘路(あいろ)の解消を図るため現道拡幅およびバイパス整備などを推進

・駅前広場などの交通結節点の整備や、LRT、バス走行空間の改善などの整備などを支援

・まちづくりと一体的となった駅の総合的な改善や子育て支援施設などの生活支援機能の付与による鉄道駅の地域総合拠点化

・「道の駅」やスマート ICなどの活用による拠点の形成

・人口減少などを踏まえた持続的な汚水処理システム構築

・公営住宅について老朽化ストックの建て替えの機会を捉え、地域のニーズを踏まえつつ、事業主体の判断により、機能更新や集約

・再編などを推進

・都市公園について、地域のニーズを踏まえた新たな利活用や都市の集約化に対応した再編を推進

・国公有財産の最適利用の観点を踏まえつつ、公共施設などの集約化・活用を推進

連携中枢都市圏などによる活力ある経済・生活圏の形成

・道路ネットワークによる地域・拠点の連携確保

・ITSの活用、信号機の改良などにより、より円滑な道路交通を実現

・地域鉄道の安全性向上・活性化(通勤・通学などの日常生活に欠かせない公共交通機関である地域鉄道について、安全性向上に資する設備整備や利便性向上のための施設整備などを支援)

・離島航路および離島航空路の維持や安全かつ安定的な輸送の確保

・コンパクト化とネットワーク化により、経済成長のけん引、高次都市機能の集積・強化、および生活関連機能サービスの向上を実現する「連携中枢都市圏」の形成を促進

大都市圏における生き生きと暮らせるコミュニティの再構築

・高齢者や子育て世帯などの多様な世帯が生き生きと生活し活動できるよう「スマートウェルネス住宅」の展開を推進

・公的賃貸住宅団地の再生・福祉拠点化

4-2 地方圏の産業・観光投資を誘発する都市・地域づくりの推進

地方圏を支える基盤整備

・道路ネットワークによる地域・拠点の連携確保

・地域経済を支える産業の活性化を促進するために、海上物流の効率化を図る

・資源・エネルギーなどの安定的かつ安価な輸入の実現に向けた効率的な海上輸送網の形成

・地域の拠点空港などの機能強化

・ITSの活用、信号機の改良などにより、より円滑な道路交通を実現

・地方航空ネットワークの安定的な確保(地方航空路線におけるモデル的取り組みを支援する「地方航空路線活性化プログラム」のほか、離島航空路線に就航する航空機購入費の補助や着陸料の軽減などといった措置をトータルパッケージとして支援)

・新幹線ネットワークの整備など(着工区間について、完成・開業に向けて着実に整備を進める)

・農林水産物・食品の輸出促進のため、貨物の品質保持に有効な輸送技術の紹介など、高品質な輸送の実現などに向けた取り組みを推進

地方圏の観光を支える基盤整備

・寄港地を中心に地域の活性化などに寄与するクルーズ船による訪日旅行を活性化させるため、クルーズ船の受け入れ環境を改善

・LCCの持続的な成長に向けて、ボトルネックとなり得る空港容量や操縦士などの養成・確保対策を講じ、LCCの就航を促進する

・主要空港、鉄道駅での訪日外国人旅行者向けの無料公衆無線LAN環境の整備

・民間活力を積極的に引き出すための機運の醸成に加えて、創意工夫を促し、既存制度のさらなる活用促進などを進めることにより、美しさと風格を備えた魅力ある水辺空間をまちづくりと一体となって創出

・2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据え、路面温度上昇抑制対策やバリアフリー化、無電柱化、案内標識の英語表記などの取り組みを通じて、大会の開催を支援する

・空港の機能強化、利用環境の改善を図るとともに、CIQスペースの拡張などによる出入国手続きの迅速化により、観光振興と一体となった航空ネットワークを構築する

・重点「道の駅」制度の活用(地域活性化の切り札として「道の駅」を生かすため、全国のモデルとなる先駆的な取り組みを重点「道の駅」として選定し、国民に広く周知を図り、計画段階から重点的に支援)

・道路空間のオープン化(地域のにぎわい・交流の場の創出や道路の質の維持・向上を図るため、道路空間を有効活用した官民連携による取り組みを推進)

・宅配運送サービスを活用した「手ぶら観光」の促進(日本の宅配サービスについて、共通ロゴマークの普及やホームページ・パンフレットによる周知を行うとともに、免税手続きと配送手続きを一括して行うなど、サービスの高度化を推進)

PPP/PFIによる民間ビジネスの創出

・PPP/PFI手法導入検討を促進するための地域プラットフォームの形成