中国に進出している日本企業で組織する日本人商工会議所「中国日本商会」はこのほど、中国政府に対して「公平性の確保」などを求める建議書である「中国経済と日本企業2014年白書」を取りまとめ、公表した。今後、中央政府や地方政府など関係各方面に提出し、進出企業のビジネス環境改善を訴える。
白書の主な論点は「市場経済ルールの整備と適正運用」「過剰な政府規制の緩和」「内外無差別とグローバルスタンダードの採用」の3点。秩序ある競争が行われる市場体系構築のため、公平競争の障害となっている各種制度の撤廃・見直し、知的財産権の保護強化などを求めた。
規制緩和に関しては、行政手続きの簡素化・迅速化とともに、市場メカニズムが有効に機能している分野に対する許認可・認証の廃止を提言。経済のグローバル化に適応するため、製造・サービス業分野で外資参入制限を一層開放することなどを要望している。
白書の取りまとめに当たり中心的な役割を担ったジェトロ北京事務所が中国に進出している日系企業に対して、昨年の10~11月に実施したアンケート調査では、今後1~2年の事業展開の方向性について、「拡大」と回答した企業の割合は54・2%(前年比1・9ポイント増加)で、「現状維持」と回答した企業の割合は39・5%。「縮小」「移転・撤退」は6・2%にとどまった。中国における事業拡大の意向は依然強いものの、反日デモ以前の2011年と比べると、「拡大」とする回答は減少(66・8%↓54・2%)している。
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