若い頃、舩井幸雄さんから、「人脈を広げるには安心できる人間性プラス、何かで一番になること」と教えられました。何かで一番になるというのは、「その業界で一番の物知り」でも、「営業成績が一番」でも、その人それぞれの一番があって良いのです。
人脈はつくろうとしてつくれるものではありません。人のエネルギーに人が集まって来るもので、そのエネルギーが強ければ強いほど、集まるエネルギーも強い、そのようなものだと思います。
私の場合、シャイで緊張性であったため、人脈をつくろうと意識したことは昔からなく、コンサルタントとしてクライアントへのアプローチは、〝売り上げを上げる〟それだけです。その結果クライアントが私を信頼して、おのずと関係は深まり、友人や知人を紹介してくれるなどして人脈が広がっていく、この連続でした。不器用な私でも、圧倒的な一番になると、ライバルと思われるような人までも、先方から近づいてきてくれるようになりました。
その頃になって、人脈のもう一つのパワーを知りました。圧倒的一番になり人脈を得ると、入ってくる情報量は二番手三番手の頃に比べて10倍にもなりました。私は基本的に人脈に頼った仕事はあまりやらないので、私にとって人脈の価値は、情報なのかもしれませんが、船井総研の社長に就任し、3年間業績を上げ続けると、今度は経済界の一流人が訪ねてくるようになり、入ってくる情報の質まで変わりました。
私が人脈を得ることができた背景には、育った環境が大きく関係していると思っています。
家業のディスカウントストアが私の仕事の振り出しですが、最初に、「ディスカウントストアは薄利多売だから時間との勝負だ」と教えられました。親父は、仕入れたものはその日のうちに値付けをして陳列することを徹底していました。スタッフを帰して自分一人で、深夜の3時になってもやっていました。
これは自分で決めたルールで、やると決めたことは何があっても守る、その仕事のスタンスは私にも染み込みました。船井総研に入ってからも、資料づくりや講演のレポート準備など、夕食にお酒を飲んだ後でもやるというルールは守ってきました。
自分との約束を50年間破ったことがない、そういう生き方が、「約束を必ず守る人」という評判や評価となり、仕事の成果にもつながったんじゃないかと思っています。
奮起すれば、誰でも同じ体験をすることができます。自分の目指す一番は何なのかを決めて、始めてください。やるとしたら、あなたにとって一番若い瞬間である今から、始めるしかありません。
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社名:株式会社 風土
TEL:03-5423-2323
担当:髙橋
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