政府は4月28日、第6回新しい資本主義実現会議(議長・岸田文雄首相)を開催し、デジタル田園都市国家構想の実現など経済社会の多極化、民間による公的役割などについて議論した。会議に出席した日本商工会議所の三村明夫会頭は、デジタル産業を「社会課題を解決する地域のインフラ産業」と位置付け、その担い手について「地域内で積極的に育成する取り組みを推進すべき」と強調。そのために地方大学を積極的に活用、支援していくことを提言した。
また、スマート農林水産業について「デジタルを活用した農林水産業の成長産業化が地方創生の大きなカギを握っている」と述べ、デジタル実装の局面を「点」から「面」に広げることの重要性を強調。そのほか、デジタル実装の交付金事業の活用、中小企業のデジタル化のための伴走支援事業の有効性なども指摘した。
岸田首相は、デジタル田園都市国家構想の推進に向けたインフラ整備の加速について、「2027年度末までに、光ファイバーの世帯カバー率を99・9%、5Gについては、30年度末に人口カバー率で99%を整備する」と目標を明示。地域協議会を設置し、地方のデジタル技術の実装のための支援措置を検討する考えを示した。
社会課題の解決を担う民間の取り組みについては、新たな官民連携の形として、資金調達、公共調達の両面で支援していくことを表明。財団や社団などの既存の法人形態の改革、公共施設の民間事業者による運営を行うコンセッションの加速などについても、「6月の実行計画にしっかりと取り込みたい」と述べた。
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