日本商工会議所の三村明夫会頭は5月12日、「第4回就職氷河期世代支援の推進に向けた全国プラットフォーム(全国PF)」のオンライン会議に出席し、中小企業を取り巻く採用環境と就職氷河期世代の採用支援に向けた活動などについて説明した。全国PFは、官民協働で就職氷河期世代への支援策などについて意見交換などを行っているもの。コロナ禍の影響で、正規雇用者を増やす政府目標が達成できなかったことなどから、達成時期を2年延長することなどが報告された。
三村会頭は、中小企業の人材確保の現状について「中小企業の約6割が人手不足の状態にある中で、2021年度に採用を行った企業の4割超が、予定した人数を確保できていない状況」と指摘。就職氷河期世代の採用に意欲を示す東京商工会議所会員企業の事例、岡山商工会議所の就職氷河期世代の採用に向けたセミナーなどの取り組みに触れ、採用意欲がある中小企業と就職氷河期世代のマッチング支援に加え、求職者のスキルアップのための職業訓練の強化の必要性を強調した。
会合には、山際大志郎全世代型社会保障改革担当大臣、野田聖子孤独・孤立対策担当大臣ら関係閣僚、日商の三村会頭や経団連の古賀審議員会議長、連合の清水秀行事務局長ら労使団体首脳、自治体首長、有識者、支援団体の代表ら22人が出席。山際大臣は2020年度からの3年間を集中取り組み期間として実施している「就職氷河期世代支援プログラム」の実施状況について説明するとともに、コロナ禍の影響で雇用情勢が厳しくなった影響で、20年度は横ばい、21年度の正規雇用者数は3万人の増加にとどまっていることなどを報告した。
今後の取り組みについては、23年度からの2年間を、これまでの施策の効果も検証の上、支援を実施し成果を積み上げる「第2ステージ」と位置付ける方針を提示。正規の雇用者30万人増の目標達成に向け、公務員の採用推進の継続も含め、就職氷河期世代の就労や社会参加へきめ細かな支援に取り組むことなどが示された。
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