政府はこのほど、2022年版の男女共同参画白書を閣議決定した。男女共同参画週間(毎年6月23~29日)の時期に合わせて発刊しているもので、3章で構成。第1章では「人生100年時代における結婚と家族」をテーマに各種統計データや意識調査などを整理した上で課題を分析。第2、3章では、21年度に講じた施策と22年度の施策を紹介している。
第1章「令和3年度男女共同参画社会の形成の状況」では、「人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~」を特集のテーマに設定。「家族の姿の変化・人生の多様化」「結婚と家族を取り巻く状況」「人生100年時代における男女共同参画の課題」の3点から分析している。
特集では、「もはや昭和ではない」として、家族の姿が変化しているにもかかわらず、慣行、意識、さまざまな政策や制度などが依然として戦後の高度成長期、昭和時代のままとなっていることを指摘。「変化・多様化に対応した制度設計や政策が求められている」と強調している。
「家族の姿の変化・人生の多様化」では、1980年から2020年までの40年間で男女共に「未婚」と「離別」が大幅に増加し、50歳時点で配偶者のいない人の割合は男女共に約3割に達していると指摘。21年に、専業主婦世帯が458万世帯と過去最少になる一方で、共働き世帯が1177万世帯と過去最高となり、単独世帯数も大幅に増加するなど、家族の形が大きく変わっていることを示した。
「結婚と家族を取り巻く状況」では、「配偶者、恋人はいない(未婚)」との回答は、男女共に、全世代で2割以上で、特に20代の女性の約5割、男性の約7割が、「配偶者、恋人はいない(未婚)」と回答。「結婚意思なし」との回答をしたのは、女性は20代で14・0%、30代で25・4%、男性は20代で19・3%、30代で26・5%となった。
「人生100年時代における男女共同参画の課題」について、白書では、優先的に対応すべき事項として、「女性の経済的自立を可能とする環境の整備」「世帯単位から個人単位での保障・保護/無償ケア労働を担っている人への配慮」「早期からの女性のキャリア教育」「柔軟な働き方を浸透させ、働き方をコロナ前に戻さない」「男性の人生も多様化していることを念頭においた政策」の5点を提示。今後、男女共同参画を進めるに当たって、「誰ひとり取り残さない社会の実現を目指すとともに、幅広い分野で制度・政策を点検し、見直していく必要がある」と強調している。
詳細は、https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/index.htmlを参照。
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