日本商工会議所の石田徹専務理事はこのほど、来所した羽生田俊厚生労働副大臣と会談し、要請文「賃金引き上げの際の同一労働同一賃金の観点を踏まえた対応について」を受領した。羽生田副大臣は、日商に会員企業への働きかけなどを要請。石田専務理事は、「当然取り組むべき内容」と述べ、協力する考えを表明した。
羽生田副大臣は、5月末までを「非正規雇用労働者の賃金引き上げに向けた同一労働同一賃金の取り組み強化月間」と定めていることなどを説明。日商に対し、各地商工会議所の会員企業への働きかけや、各種支援策の周知への協力を求めた。 石田専務理事は、「同一労働同一賃金の徹底は、企業として当然取り組むべき内容である」と同意。「成長と分配の好循環」に向けて、「雇用全体の4割を占める非正規雇用労働者を含む賃上げが重要である」と考えを示した。
また、日商の調査で、約6割が2023年度の賃上げを実施すると回答した一方、そのうち約6割が業績の改善が伴わない防衛的賃上げであることに触れ、「自発的・持続的な賃上げには、生産性向上と取引適正化が不可欠である」と指摘。厚生労働省における「パートナーシップ構築宣言」の拡大と実効性確保に向けた取り組みを要望した。
最低賃金については、「中央・地方の審議会において、データによる明確な根拠の下、納得感のある審議決定をお願いしたい」と要望。また、いわゆる「年収の壁」の問題については、「多様な働き方や家族の形態を踏まえて税制や社会保障制度を見直していただきたい」と要望した。
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